日中友好新聞
南シナ海を平和の海に!
問われる日本の対応
大村新一郎
「再生の大地」合唱団が感動の歌声を披露
「再生の大地」合唱団北京初公演の報告演奏会が、2月7日、東京都内で開催されました(主催=同合唱団、後援=日本中国友好協会ほか)。
「再生の大地」合唱団は、昨年9月1日、中日友好北京公演を行いました。この様子は、「人民日報海外版日本月刊」10月号(15年)が、特別報道として「『再生の大地』合唱団が中国公演 民間の平和パワーを示す」との見出しの下、「合唱団は日本の民間の声を歌に乗せ、平和を希求し戦争に反対する日本の民間人パワーを中国の人びとに見せた」と大きく取り上げました。
ホールは満員大盛況!
日本の敗戦で、シベリアに抑留された約60万人のうち、約1000人が戦犯として新中国に引き渡され、撫順戦犯管理所に収監されました。しかしその後、中国の政府と戦犯管理所の寛大で人道的な政策と対応により「鬼」から人間に立ち返り、無事帰国できたという歴史的事実を「撫順の奇蹟」として組曲にしたのが「再生の大地」です。
今回の報告演奏会では、合唱だけでなく、「今なぜ『再生の大地』を歌うのか」と題したパネルディスカッションと、「『再生の大地』―撫順戦犯管理所―合唱」の二部構成で行われました。392席あるホールは、立ち見の人が出るほど大盛況でした。
「撫順の奇蹟」の政策・対応に言及!
「今なぜ『再生の大地』を歌うのか」
パネルディスカッション(右から田中、大門、木村、蒋、大西の各氏)
第一部のパネルディスカッションでは、パネラーに日本語月刊誌「人民日報海外版日本月刊」編集長の蒋豊氏、慶応義塾大学教授の大西広氏、「再生の大地」作詞者の大門高子氏、「再生の大地」団員の木村秀子氏を迎え、日中友好協会本部理事長の田中義教氏が司会を担当しました。
ここでは、「再生の大地」を歌う意義について、また、今この時期の日中友好の大切さを考えることにつなげられるようにと、各パネラーは、これまでの経験や編集者としての取材から、また研究者としての見地を踏まえ、当時の中国政府と戦犯管理所の「罪を憎んで人を憎まず」との人道的な対応について、それぞれに力強く語りました。
感動の合唱!蒙古踊りも好演!
会場から手拍子が起こり観客を魅了した蒙古踊り
第二部として、「再生の大地」合唱団が感動の歌声を披露。舞台狭しと約50人の団員が、報復と憎しみの連鎖を断ち切った「撫順」の体験をセリフにして舞台劇を取り入れ、その洗練された歌声は会場の人たちの感動を呼びました。
また、元戦犯が反戦平和の思いを込めて踊り続けた蒙古踊りの演出も加わり、その力強い動きにも会場内は静かな感動の声が聞こえていました。 (Y)
「再生の大地」合唱団とは?
南京事件を扱った「紫金草物語」から撫順戦犯管理所に出合い、「再生の大地」(全12曲)を創作(作詞=大門高子、作曲=安藤由布樹)。
2011年ころから、学習、訪中などを含めて月2回程度「再生の大地」のレッスンを行なっている。団員50人。東京・中野ゼロホール、中国大使館で2回。北海道大学、撫順戦犯管理所、北京総局ホール等で公演。