日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒101-0065
東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会ビル3F
Tel:03(3234)4700
Fax:03(3234)4703

HOME > 日中友好新聞 > 2015年11月15日号

日中友好新聞

等身大の日本知るチャンス
中国人の大挙来日を感がる
対日感情改善を促進

 

 

shinbun

東京・新宿支部の「漢詩を読む会」賑やかな対話が続く


 中国人観光客の大挙来日や日本品「爆買い」が、いま大きな話題になっています。この問題を考えてみましょう。

 


1~9月383万人で倍増



陶淵明
陶淵明

 7月の東京都連大会で、「『春眠暁を覚えず』『少年老い易く学成り難し』までは、たいていの人が知っていますが、詩の最後まで言える人はほとんどいません。それを全部暗証できるようにするのが目的のひとつです」と、吉田邦夫代議員(新宿支部)が発言し会場を和ませた。
 この「漢詩を読む会」は昨年9月に発足し今回で12回目。退職した人、主婦、在職中の人など60~70代が中心で、女性が多い。
 「陶淵明は地方の役人をしていたが、つまらぬ上司にペコペコしなければならぬのに我慢ができなくなって『こんな職場辞めてやる』と辞表を出し、江西省にそびえる廬山のふもとの故郷へと、帰ってしまったのです」と、テキストを元に講師が解説すると、「随分思い切ったことをしたものね」「いや、そのくらい反骨精神があったから、大変な才能を発揮したんだよ」などなど、賑やかな対話が続く。
 吉田さんは、そのやり取りを楽しそうに聞いている。そのザックバランな雰囲気が会を盛り立てている源泉のようだ。

 

 


「中国は漢字の国だから」


吉田邦夫
講師の吉田邦夫さん


 講師の吉田さんは「動機は、日中友好の原点である漢字を通して中国を根っこから知ることは日中友好にとって欠かせないこと」と思い提案したら、「学生時代を思い出した」「英語やロシア語と違い、中国語は漢字だから親しめるかも」と好評だった。最初は6人で出発したが、いまは12人に。
 吉田さんは「漢詩を何とか中国語で読んでみたいという程度ならそれほど難しくはない。次の記号は何だか分かりますか。∨ / \ ― この4つだけです。中国語の入門の文章の文字の上についている記号です。∨は強く、/は語尾を上げる、\は語尾を下げる、―は抑揚を付けず平に」と優しく解説。参加者はうなずき、笑いがもれる。

 


古きをたずね新しきを知る



 これまでに「白髪三千丈(李白)」「峨眉山月歌(李白)」「春宵一刻直千金(蘇軾)」「国破山河在(杜甫)」「売炭翁の詩(白楽天)」「長恨歌(白楽天)」「江南の春(杜牧)」「飲酒(陶淵明)」「帰去来の辞(陶淵明)」などを取り上げてきた。  参加者の感想を聞いてみた。  「漢詩は好きだったから」(Jさん)、「歴史好き、古いもの好きだから」(Hさん)、「日本文化のルーツだから」(Sさん)、「生きる目標にもなり、楽しい」(Nさん・91歳)、「主人が中国の仕事をしているから」(Iさん・28歳)など、それぞれに心からやりがいを感じているようだ。 会の暑気払いや春節会、「漢詩と歴史を知る中国旅行」なども魅力になっている。  吉田さんは「ぜひ、東京や全国の支部でも開いて欲しい。講師はたくさんいるはずです。日中関係が厳しい時だからこそ古きをたずね、新しきを知ることが必要でしょう」と、締めくくってくれた。

(宣)


●吉田邦夫さんの略歴
 東京都生まれ。東京学芸大卒(日本古典文学・漢文漢詩及び言語学)。東京公立小学校教諭として34年勤務。
 中国国立西安外国語大学で日本語講師。中国32省・市・区中19省訪問。シルクロード3回往復、タクラマカン砂漠縦断、敦煌訪問7回。日中友好協会東京都連理事。

 

 


[一覧に戻る]

#