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HOME > 日中友好新聞 > 2015年9月15日号

日中友好新聞


「戦後70年」
中国帰国者が公演会 「再び戦争許すな」
城戸久枝・神田さち子さんら表情豊かな熱演

 

 

butai

舞踊劇「中国のお母さん」を熱演する元中国残留孤児の人たち

 


 戦後70年の8月26日、埼玉県所沢市で公益財団法人・中国残留孤児援護基金、所沢中国帰国者交流会、NPO法人中国帰国者・日中友好の会が主催し、「中国残留孤児と婦人の歴史といまを知って欲しい」と題する「公演会」を開催。800人が集い、「再び戦争を許してはならない」との決意を固め合いました。

 


第2の故郷「所沢」に集い

 


 埼玉県西部にある所沢市は残留孤児をはじめ中国帰国者にとっては「第2の故郷」です。1981年以後に中国から帰国した人たちは、ほぼ全員が所沢市の「中国帰国者定着センター」で約半年、日本語の習得や日本の生活習慣を学びました。
 当日あいさつした藤本正人所沢市長は「この所沢は帰国者の皆さんが日本で初めての夜を過ごした思い出の地です。市民は心から歓迎しています」と帰国者を労(ねぎら)いました。
 主催者として、中国残留孤児援護基金の小林悦夫常務理事が「戦後70年を迎え、中国帰国者の生きた歴史とその姿を改めて振り返り、日中友好の思いを深めていただきたい」とあいさつ、中国大使館の郭燕公使、厚生労働省の谷内繁審議官がそれぞれ祝辞を述べました。

 

 


苦難の70年振り返り


神田さち子
神田さち子さん

城戸久枝
城戸久枝さん

 第1部は、ノンフィクション作家で自らも残留孤児を父にもち、その家族の歴史をたどった『あの戦争から遠くはなれて=私につながる歴史をたどる旅』(第39回大宅壮一ノンフィクション賞受賞・NHKドラマ「遥かなる絆」で放映)の著者である城戸久枝さんが「孤児・婦人70年のあゆみ」をテーマにトークし、一人芝居「帰ってきたおばあさん」で有名な神田さち子さんがひとり芝居を熱演しました。
 心情を込めた城戸さんの語りと、それに合わせた神田さんの表情豊かな熱演に参加者は深く引き込まれ、孤児と婦人の「苦難の70年」に改めて深い思いを寄せました。

 


涙なしには見られなかった


 第2部は、NPO法人中国帰国者・日中友好の会、所沢中国帰国者の会による舞踊劇・合唱・独唱・雑技が演じられました。
 なかでも、「朗読劇・孤児の涙=別離」と舞踊劇「中国のお母さん」は参加者の涙を誘いました。中国帰国者日中友好の会が演じた「中国のお母さん」は、中国の養母に育てられた女性の孤児が、日本への帰国が決まり、悲しみをこらえながら送り出す養母と、離れたくない心情と日本への思いに心を乱される孤児との辛い別れが迫真の演技で演じられ、深い感動を呼びました。
 「帰国者70周年の集い」は8月27日朝のNHKニュースと29日の毎日新聞(朝刊)の「余禄」で報道されました。

(宣)


butai

最後に舞台あいさつに立つ出演者

 

 


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