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HOME > 日中友好新聞 > 2015年7月25日号

日中友好新聞


戦後70年特別企画
「もうひとつの七夕」盧溝橋事件78周年
講演と合唱のつどいに250人
 

 

 

「もうひとつの七夕・盧溝橋事件78周年・講演と合唱のつどい」

 


 日中友好協会本部と東京都連合会は7月7日、都内で「もうひとつの七夕・盧溝橋事件78周年・講演と合唱のつどい」を開催、250人が参加しました。
 石山久男氏(歴史教育者協議会・前委員長)が「日中の近現代史とこれからの平和を考える=戦争する国・人づくりを許さない」と題して記念講演、「紫金草合唱団」が出演しました。

 


「戦争する人づくり」へ
     教科書の国家統制復活

 


 石山氏は、冒頭「戦争する人づくり」に向け「全面的な教育『改革』」が「教科書国家統制の強化」を軸に進められ、安倍政権がそれを急いでいると指摘しました。
 石山氏は「日中戦争と南京大虐殺」について、いくつかの教科書会社の記述を比較しながら「戦争の原因」「加害の実態(南京事件と犠牲者数など)」「中国の抵抗」「強制連行」などの記述が変化してきていることを指摘しました。
 そのうえで「全体として、特に侵略戦争と植民地支配に関してあいまいになり、後退してきたこと」また「戦争する国づくりの方向性があまりにも明確な育鵬社版・自由社版の採択に強く反対していくこと」の重要性を強調しました。

 

記念講演する石山久男氏

 


侵略戦争の無反省
     日中関係の戦後史

 

 第2に、先の「中国侵略戦争」に触れ、「戦後日本の戦争への向き合い方の二つの特徴」を指摘。
 その一つは「空襲・原爆・戦死・引き揚げなど日本国民の被害は直接体験に根ざす戦争の歴史の一つの学び方だが戦争のとらえ方としては一面的であること。その裏返しとしてアジアに対する意識の低さがあり、その弱点をもったまま中国・韓国・北朝鮮に対してきたことが、今日の国家間の大きな問題の根源にある」と述べました
。  もう一つは「ポツダム宣言の原則と日米支配層の意図の違い」にふれ、具体的には、アメリカは戦後もアジアと世界の覇権を握るために沖縄などを直接軍事占領下に置いたこと、アメリカは日本の民主平和勢力の進出を阻んで日本の旧支配層を政権の座につけ利用したことをあげました。

 


「戦争する国づくり」
     その本質と矛盾

 

 第3に「戦争をする国づくり」の本質と矛盾を掘り下げました。
 「安倍政権はアメリカとの従属的同盟関係の強化なくしては政権が維持できない」と前置きし、「その最も大きな背景は、日本独占大企業の要求があり、軍事力強化のための武器の生産、販売、輸出によって膨大な利益を求めている」と述べました。
 さらに「アジア周辺では中国・韓国とトラブルはあるが大規模な戦争はできない。いま戦争の可能性があるのは中東地域だけである。しかし戦争法案を成立させアメリカと一体の戦争に参加するためには、アジアに緊張状況をつくらなければならない。そのため中国・北朝鮮脅威論を最大に利用している」と明快に指摘しました。

 

参加者を魅了した紫金草合唱団の合唱

 

 

戦争への道を止めるために

 

 最後に「安倍政権は強気を見せているが、闘いによって、それは打ち破ることができる」と述べたうえで「戦争法案は大きな問題と矛盾がある。何よりも日々高まっている日本国民の怒りである。いまの世界の主な流れは戦争ではなく平和への志向である。ASEAN(東南アジア諸国連合)、TAC(東南アジア友好協力条約)など平和共同体作りが急速に進展し、いま機能している軍事同盟はNATO・日米・米韓・米豪のみである」と述べました。
 「私たちのやるべきこと」として、①「戦争法案」の本質を知らせること②「戦争ではなく、平和的な話し合いで」を大きな世論に③「戦争する国」への道は生活状況の悪化の道。憲法25条(生存権の保障)と最高の峰である憲法9条を守ろう④安倍政権の全政策は戦争への道であり、その政策の一つ一つをつぶす運動を大きくする―の4点を提起。参加者は大きな拍手で応えました。
 続いて「紫金草」合唱団が登場、合唱朗読構成「紫金草物語=平和の花 紫金草」を合唱し参加者を魅了しました。参加者は最後に「ふるさと」を合唱し「つどい」を終了しました。

(宣)

 

 


 


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