日中友好協会(日本中国友好協会)

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HOME > 日中友好新聞 > 2015年2月25日号

日中友好新聞


知り合うことが大切  
姚儷瑾(ようれいきん)さん
中日友好を語る
日本語作文でトップ受賞

 

本部を表敬訪問し、生き生きと語る姚さん 

 

 

 

 昨年の第10回「中国人の日本語作文コンクール」で最優秀賞(日本大使賞)に輝き、副賞として、このほど日本に招待された姚儷瑾さんが、コンクール主催団体「日本僑報社」の段躍中編集長と共に2月6日午後、日本中国友好協会本部を表敬訪問、応対した矢崎光晴事務局長、平井潤一参与、押見真帆事務局員と懇談しました。
 矢崎事務局長の歓迎あいさつに応えて、段さんは「姚さんの来日を機会に2人そろってぜひ日本中国友好協会本部を訪れたいと考え、今日ここに来ました」と語り、協会のコンクール協力に謝意を表明しました。

 

 

 

日本アニメに魅せられて


 姚さん(20歳)は、上海の東華大学日本語科の3年生。初めて訪れた日本の印象は「きれいで、人びとが優しく親切」なこと。「東京の電車のなかで乗客が単行本を読んでいるのを見かけ、中国にはない習慣なので感心しました」。
 上海で生まれ育ち、日本に関心をもったのは、14歳の時アニメ「機動戦士ガンダムSEED」を見たことがきっかけ。日本アニメのとりことなり、そのセリフをよく理解したいと日本語の勉強を始めました。
今回の来日でも、公式行事でほぼ埋まった1週間の滞在日程のなかで「もし時間があったら秋葉原に行きたい」と、若者らしい一面ものぞかせました。
 大学の日本語科を進学先に選んだ時は、親戚のなかには反対もあり、家族会議を開いて何度も相談。そこで力になったのは「日中関係は将来きっと良くなるから」という父親の言葉でした。「ちょっと反対」だった母親も納得しました。
 しかし、大学に入学した2012年9月(中国の新学年度は9月)は、日本政府が尖閣諸島の国有化を決定し、中国で「反日デモ」の嵐が吹き荒れたさなかでした。

 

 

 

インタビューを終えて記念撮影(右から段、姚、平井、矢崎の各氏)

 

 


反戦平和の思いを込めて

 

 厳しい条件の下で学習に励んで日本語の腕を磨き、今回のコンクールでは「ACG(アニメ・コミック・ゲーム)と私」、「公共マナーと中国人」の2テーマのうち前者を選択、4000を超える応募作文のなかで見事トップの座についたのです。
 姚さんは、見るからに物静かで控えめな女性ですが、その作文は「ガンダムSEED」のストーリーに即して、戦争には絶対反対で「心から日中関係の平和を祈る」熱い思いを、立派な日本語でつづった感動的な内容です。日本中国友好協会の活動の原点「日中不再戦」にしっかりと結びついています。
 姚さんの将来の志望は「記者になる」こと。活動の場は「中国でも日本でもよい」と言います。両国政府の関係は悪くても、国民とくに若い世代同士の相互理解が大切で、お互いに生活そのものを知り合うことがどうしても必要だと力を込め、「そのために役に立ちたい」と抱負を語りました。

 

コンクールに意欲を燃やす段氏

 

 

4000余の応募で新記録


 日中関係の図書を刊行している在日の出版社「日本僑報社」が中国の大学生・高校生を対象に日本語作文コンクールを始めたのは05年で、昨年が10回目。さまざまな難関を乗り越えて事業を前進させ、今では全中国の日本語学習者のなかで一つの目標になるまで成長しました。段さんは、これまでの苦労を回想しながら「本当に感慨深い」と語りました。
 第10回コンクールの特徴は、依然厳しい日中関係にもかかわらず、応募作文数(4133本)が第1回の2倍以上にのぼり、応募学校数(196校)とともに過去最高を記録したこと。これまでの応募校の総数は300以上にもなり、このコンクールが中国全土に広がっていることを物語っています。
 因みに、段さんによると、中国で日本語を学んでいる人の数は約100万人、日本語教師は約1万7000人(うち日本人は約2500人)。
 第10回の応募では、前記の2テーマのうち、「アニメ」の選択者が全体の8割を占めたことも特徴の一つ。中国の子どもや若者の間で日本アニメの人気がいかに高いかを裏づけています。また応募者の圧倒的多数が女性であること。「外国語の翻訳や通訳の仕事は女性に向いているようだ」と段さん。
 10回という区切りをつけた今、段さんは、日本語学習の発展と日中両国の明日のために「新たな前進をめざしたい」と、さらに意欲を燃やしています。今年の第11回コンクールの応募受付は5月11日から31日までです。
問い合わせは「日本僑報社」(東京都豊島区西池袋3〜17〜15) 

03(5956)2808 http://jp.duan.jp/へ。
(平井)

 

 

 


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