日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒101-0065
東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会ビル3F
Tel:03(3234)4700
Fax:03(3234)4703

HOME > 日中友好新聞 > 2015年2月15日号

日中友好新聞


「若い人にぜひ見せて」
映画「望郷の鐘」
観客が次々に感動の声
大阪で広がる上映運動
松尾 豊

 

 

映画「望郷の鐘」のワンシーン (c)現代ぷろだくしょん

 

 

 大阪では、満蒙開拓団の悲劇を描き、「日中不再戦」を訴える劇映画「望郷の鐘」の上映運動が、日中友好協会大阪府連を含む広範な民主団体・個人の力で展開され、すでに昨年末と1月、2回の府内上映会で合計1500人余りの観客動員に成功、府内10カ所以上の開催めざして取り組みが進んでいます。

 

 

 

吹田では900人が鑑賞

 

 

 1月15日、氷雨降るなか、午前・午後・夜と3回にわたって吹田市(大阪府)で行われた「望郷の鐘」上映会には、それぞれ340人、360人、200人の来場者を迎えました。

 各回とも終演とともに拍手が巻き起こり、観客は口々に実行委員や要員に、感動と感謝の言葉を述べ、アンケート回答数も258人に達しました。

 「望郷の鐘 満蒙開拓団の落日」吹田上映実行委員会は、協会吹田支部、原爆被害者の会はじめ平和団体、さつき会、こばと会はじめ福祉団体、各地域9条の会、複数の政党議員団・元議員、各種退職者の会、各種民主団体、各労働組合によって昨年10月17日に結成、チラシ・ポスターの活用、チケットの作成・普及など2カ月半の準備を進めてきました。

 当日の悪天候が危惧されましたが、朝から入場者が続き、映画パンフ、手製のクッキーや書籍の完売が相次ぎました。実行委員が展示した手書き「満州開拓団の歴史」の前には多くの観客が足を止め、説明に聞き入っていました。

 とくに一老婦人が述べた「夫が満州からの引き揚げ者で、存命中一言もその時のことを語ってくれませんでした。映画を見て夫の気持ちがよく分かりました。ありがとうございます」という言葉には、万感の思いがこもっていました。

 アンケートでも「学校や地域でも上映してほしい」、「若い人たちに、ぜひ見てほしい映画です」という声が多数寄せられています。

 早朝から終日、懸命に働いた要員の総数40人。呼びかけ人代表の徳井義幸弁護士のあいさつ「望郷の鐘で心の中に芽生えた平和への灯を吹田全体に広げましょう」という言葉をかみしめていました。

 

ロビーのパネル展示に見入る人

 

 

「再びだまされるな」の思い

 

 吹田に先立ち、昨年12月13日にクレオ大阪中央(大阪市天王寺区)ホールで行われた完成有料試写会は、総選挙投票日の前日で、入場数が心配されましたが、600人が鑑賞。開場前から多くの人がロビーにあふれました。

 上映前の主催者あいさつでは、呼びかけ人の一人である、渡辺武氏(日中友好協会大阪府連会長)が「戦前、国民は真実を知らされることなく戦争に駆り立てられた。この映画はまさに、そのことを告発し、現在安倍内閣が進めようとしている『戦争をする国づくり』への批判であり、『二度とだまされてはいけない。戦争をしてはいけない』という監督の思い願いを受け止めてほしい」と、訴えました。

 鑑賞後に寄せられたアンケート・感想は100通を越え、多くの感動の声とともに、「多くの人に見てほしい」という希望が目立ちました。

 

 

 

昨年夏から広範な普及活動


 大阪では、池長潤カトリック大司教、石田法子大阪弁護士会会長、渡辺武日中友好協会大阪府連会長の3氏が昨年「若い世代をはじめ、戦争体験者・引き揚げ体験の世代もこの映画から歴史の真実を学び、改めて平和の大切さを考える機会になれば」と団体個人に協力・参加を呼びかけ、8月19日「望郷の鐘上映をすすめる大阪の会」(略称「大阪の会」、日中友好協会大阪府連が事務局)が実現、これを機に広範な上映運動が展開されました。

 結成総会は、62人の参加(13団体・6地域・個人6)で、DVD上映「満蒙開拓の真実」、野田淳子ミニコンサート、吟詠、「残留孤児訴訟」ミニ学習会など盛りだくさんの内容で活気にあふれた場となりました。

大阪では、1月の吹田上映会、心斎橋の映画館上映に続き、今後、堺、東大阪地域での上映が計画されており、「大阪の会」では、府内で10カ所以上の開催を成功させようと申し合わせています。

 協会大阪府連も、戦後70年の今年、日中友好運動と結びつけ、意気高く取り組んでいく構えです。(大阪府連合会理事長)

 

 

 

実行委員団体の物品販売も完売

 

 

 

 


[一覧に戻る]