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HOME > 日中友好新聞 > 2014年11月5日号

日中友好新聞

新基地建設と尖閣問題は一体
沖縄から日本・アジアを見る
上里 賢一

 

 

「新基地推進の知事をゆるさない!」10・9県庁包囲行動に3800人が参加(沖縄県平和委員会フェイスブックから)

 

 

 沖縄では辺野古への新基地建設をめぐって県民の「断固反対」の闘いが進むなか、11月16日には、この問題を最大の争点に県知事選が行なわれます。
 こうした地元の状況について、上里賢一さん(協会沖縄県支部長)から寄稿をえました。また、東京で開かれた「沖縄連帯集会」では沖縄県民と「心を一つに」の意気を高らかに表明しました。

 先日、辺野古のキャンプシュワプゲート前の座り込み行動に参加した。そこで、辺野古の新基地建設と尖閣諸島問題は一体のものであること訴え、協会ブックレット『尖閣問題〜平和的解決を〜』を宣伝し、15部販売(持参したすべて)した。
「中国は好きじゃないが、戦争はしてはいけない」、「隣と仲良くしないで、平和な暮らしはできない」、「離島の多い沖縄県で、いくら自衛隊を置いても意味がない」、「尖閣を自衛隊で守るより、中国や台湾の漁民と仲良く漁をした方が、双方の利益になる」など、傾聴すべき意見が寄せられた。


 


11月16日には知事選

 

 

 沖縄では、10月30日告示11月16日投開票の県知事選へ向けて、熱い議論がたたかわされている。最大の争点は、普天間基地の閉鎖、オスプレイの撤去、辺野古の新基地建設反対である。これは、オスプレイ配備に反対して、沖縄全市町村長と議会議長が署名して政府に提出した「建白書」の内容であり、オール沖縄の声である。
「世界一危険な米軍基地」(03年、ラムズフェルド米国防長官)である、普天間基地は、無条件に閉鎖されるべきであり、辺野古への「たらい回し」は論外である。

 

 


揺るがぬ沖縄の叫び

 

 

 昨年暮れに自民党の沖縄選出国会議員が、政府の恫喝に屈して公約を捨てて脱落し、仲井真県知事も埋め立て申請容認に変節して「オール沖縄」の一角が崩れているとはいえ、今年8月の「琉球新報」と「沖縄テレビ」の世論調査では、8割の県民が辺野古の海底ボーリング調査などに反対、「建白書」に込められた沖縄の叫びは、揺らいでいない証左である。
安倍政権は、アジアの安全保障環境の変化を喧伝して、アメリカとの同盟関係を強化。尖閣諸島周辺での緊張関係も、中国との話し合いによる解決を求めるよりも、排外的なナショナリズムの高揚に迎合して、中国の脅威をあおる材料に利用している。そして、この「脅威」を普天間へのオスプレイ配備強行、辺野古の新基地建設、先島への自衛隊配備の口実にしている。

 

 

 

 

 

許せぬ安倍政権の暴走

 


 今年7月の集団的自衛権行使容認の閣議決定は、憲法の前文と9条の平和主義を否定し、日本を戦争できる国へ向かわせる危険なものだという国民の声は広がりつつある。国民を置き去りにして暴走する安倍政権の路線をなんとしても止めなければならない。
沖縄県知事選は、沖縄県と日本の進路を決する重大な意味をもつ。夢のある未来を切り開くためにも、今度の県知事選で新基地建設反対の候補者の圧勝を勝ち取りたい。全国の仲間のみなさんのご支援をお願いしたい。
(協会沖縄県支部長)

 

 

 

沖縄県民と心を一つに

 

東京で連帯交流集会


 「国土の0・6%に74%の基地」の沖縄。1995年に起きた米兵少女暴行事件に抗議した県民総決起大会(8万5000人参加)を発端に、2010年4月の「普天間基地の沖縄県内への移設断念を求める県民大会」、12年9月の「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」に10万人前後の県民が参加するなど、沖縄県民は怒りの声をあげ続けてきた。

 

10月4日「沖縄連帯交流集会」のデモ行進(提供=平和新聞)

 

 

 

世論調査で「辺野古」反対80%

 


 琉球新報の今年8月26日付1面トップには「『辺野古中止』80%」の大見出しに続き「政権不支持81%」の見出しが躍った。同月に全国規模で行われたNHK世論調査では、「安倍政権を支持しない」との回答は33%、沖縄県民と日本国民全体の意識には明らかな違いが生じている。
10月4日に東京都内で開催された「沖縄連帯交流集会」(2014年日本平和大会実行委員会主催)では、「普天間基地の閉鎖・撤去、『県内移設』断念、オスプレイ配備撤回」を求めて県知事選への立候補を表明した翁長雄志前那覇市長のビデオメッセージが流され、沖縄県議会野党4党1会派を代表して渡久地修県議会議員が95年以来の沖縄の闘いと、米軍基地時代に比べ基地返還後は雇用者数で202倍、経済波及効果で215倍となった北谷町などの自立発展の実績を報告し、米軍基地は沖縄にとってマイナスの存在でしかないと強調した。
沖縄出身の写真家・石川文洋さんは「辺野古の基地が使われてアジアの同胞が殺される。辺野古の基地が標的となり、沖縄戦のように県民が犠牲になる。こんなことを許すわけにはいかない」と訴え、環境保護運動家の安部真理子さんは「辺野古の埋め立てで絶滅危惧種であるジュゴンの生息が脅かされる」と報告した。
横田、横須賀など首都圏での米軍基地をめぐる闘いの報告と、「東京のうたごえ」による沖縄の歌とエイサー、そして参加者全員の「沖縄を返せ」の合唱。350人にのぼる集会参加者は沖縄県民との思いを共有した。
矢崎光晴(協会本部事務局長)

 

 

 


 

 

 


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