日中友好新聞
「不再戦・平和」の誓い新たに
盧溝橋事件77周年東京で集会
約250人が集った「もう一つの七夕」集会
盧溝橋事件から77年になる7月7日、東京では2カ所で「もう一つの七夕」を記念する盛大な行事が行われ、歴史の真実を確認するとともに、厳しい現在の日中関係の下、改めて「不再戦・平和」の決意を固め合う場となりました。
盛り上がった合唱・講演
協会本部と東京都連
日中友好協会本部は東京都連合会と共催で「もう一つの七夕」・盧溝橋事件77周年合唱と講演のつどいを東京・千代田区内で開催、約250人が参加しました。
第一部は、「再生の大地合唱団」45人が、合唱朗読構成「再生の大地―撫順戦犯管理所」を公演。
これは、撫順戦犯管理所における旧日本軍兵士と中国人職員との人間ドラマを12の曲と朗読によって構成したもの。素晴らしい内容の力強い平和の歌声は参加者に大きな感動をあたえ、会場から大喝采を浴びました。
最後は「撫順の朝顔(目ざめの花)」を会場の参加者と共に合唱、再び戦争を起こさないとの思いを深めました。
77年前と同様の危険に
戦後補償裁判に携わってきた大江京子弁護士が講演
第二部に先立って、田中義教本部理事長が主催者を代表してあいさつ。「安倍政権は集団的自衛権の行使容認により実質的に憲法を改悪し日本を戦争する国にしようとしている。今年の7・7集会は大変重要だ」と訴えました。
第二部は、平頂山事件、中国人強制連行、慰安婦、遺棄毒ガス、南京大虐殺などの戦後補償裁判に携わってきた大江京子弁護士が「歴史・反省そして未来―歴史認識問題と日中の平和を考える」をテーマに講演。
旧日本軍は盧溝橋事件をきっかけに中国全土へ侵略を拡大し全面戦争へ突き進み、南京大虐殺を引き起こしましたが、現在、「積極的平和主義」の名の下で「集団的自衛権行使容認」の閣議決定など戦争する国づくりをめざす安倍内閣の政治体制は、まるで77年前と同じような危険な状況になっていると指摘。
「憲法の平和主義、過去の反省に立ち二度と戦争はしないという世界に向けた誓いを今後とも守り続けなければいけない」と強調しました。
最後は、諏佐剛央都連理事長があいさつの中で「今こそ日中友好協会の出番です。本日来場された皆さんの中でまだ入会されていない方は、すぐに入会して私たちと一緒に行動しましょう」と訴えました。
つどい終了後、合唱団の団員が5人日中友好協会に入会したという、うれしいニュースが届きました。(荒)
中国大使館で「再生の大地」公演
この日、駐日中国大使館では4団体による7・7集会が行われ、合唱朗読構成「再生の大地―撫順戦犯管理所」(作構成=大門高子、作曲=安藤由布樹)が公演されました。
大使館での記念集会は「日中友好8・15の会」「関東日中平和友好会」「撫順の奇蹟を受け継ぐ会」「不戦兵士・市民の会」の4団体が主催、程永華駐日大使はじめ多くの外交官、市民ら約200人が参加しました。
シベリアに抑留された60万人のうち、1000人が再び中国の撫順に収容され、戦犯と職員たちは葛藤の末、赦し赦され全員が帰国できました。戦犯たちは帰国後、中国帰還者連絡会を結成し、加害の証言と日中友好に取り組み、この魂の出会いを12曲の合唱朗読構成にしたものが「再生の大地」です。
昨年撫順戦犯管理所でも全曲を演奏し、その様子はCCTV(中国中央テレビ)などで中国全土に放映されました。
昨年暮れ、訪中の報告と撫順水害のチャリティー公演に大使館交流部参事官の汪婉さん(大使夫人)が「大変感動した」と早速、香港テレビの取材を呼びかけたり、今回の大使館での集いに「再生の大地」を推薦したのでした。
程永華駐日大使(前列中央)を囲んで記念撮影
程大使が激励のあいさつ
程永華駐日大使はあいさつで「今回の記念集会を通して、積極的に行動し両国関係を健全で安定した軌道に乗せるためにがんばってほしい」と激励、「再生の大地合唱団が、永遠に撫順の奇蹟を歌い継ぐよう願う」と締めくくり、時間いっぱい集会に参加、演奏も全曲聞きました。
合唱団は、戦犯管理所が「鬼」を「人」に変えた感動的な出来事を歌い、歴史を忘れず犯罪行為を認めるよう呼びかけました。合唱は人びとを深く感動させ涙を流す人もおり、共感の大きな拍手を受けました。
札幌での公演に続いて北京から聞きに来た北京社会科学院の歩平さんも、「男だから涙をこらえるのに苦労した。北京でも演奏できないか」と語りました。
CCTV、新華社、人民日報などの取材もありました。(大門高子)