日中友好新聞
2013年12月15日号1面
北京風雷京劇団訪日公演
しなやかな演技 感動と興奮の舞台
松岩団長扮する孫悟空の立ち回りは圧巻!(写真提供=井田裕明氏)
日本中国友好協会は、日中平和友好条約35周年を記念して、北京風雷京劇団訪日公演を企画。11月18日の名古屋公演を皮切りに神戸(19日)、東京(21日)、福岡(24日)、宮崎・都城(25日)、山口・下関(28日)の6カ所で巡回公演を行い、各会場とも多くの観客が来場、客席いっぱいに感動と興奮の熱気が広がりました。
東京公演に昼夜で1600人
東京公演は11月21日、都内の日本青年館大ホールで昼と夜の2回。昼の部1000人、夜の部600人の合計1600人で、会場はいっぱいになりました。
夜の部の公演直前のインタビューで北京風雷京劇団の松岩団長は次のように語りました。
「名古屋や神戸の公演もとても盛り上がりました。東京公演でも、みなさんがやさしく受け入れてくれて、とても感謝しています。感動し、興奮しています。団員たちは今回の公演に向けてたくさん鍛錬してきました。この公演を通じて観客のみなさんと真の京劇の喜びを分かち合えることができたらと思います。このような文化交流が続くことを強く願っています」
「見ないと損する!」魅力的な演目
東京公演(夜の部)では、「打焦贊」、「秋江」、「孫悟空VS白骨妖怪!」の3つの演目を披露。
「打焦贊」は飯炊きの少女楊排風が、強面の将軍焦賛を腕試しで打ちのめすという物語。コミカルな2人のやりとりと、豪快な立ち回りで観客の心をとらえました。
続く「秋江」は若い尼の陳妙常が潘必正と恋に落ち、寺を抜け出して舟で後を追うなかで、純情な尼をからかう老人とのやりとりが観客の笑いを誘い、2人の体の動きだけで川面に揺れる舟を表現する所作に客席からも「ハオ!」の掛け声が続きました。
そしてメーン演目の「孫悟空VS白骨妖怪!」では、三蔵法師、猪八戒、沙悟浄、孫悟空が天竺に向かう道中で、三蔵法師を狙う白骨妖怪たちと対決!妖怪たちとの激しい戦いにハラハラドキドキ。猪八戒のユーモアある演技に加え、松岩団長扮する孫悟空のダイナミックな立ち回りはまさに圧巻でした。
見得を切るごとに客席からは「ハオ!」「ハオ!」と威勢のいい掛け声とともに、子どもたちの可愛い「ハオ!」の掛け声も加わり、舞台と客席が一体になった瞬間でした。
京劇で強まる日中友好の絆
カーテンコールでは、松岩団長が舞台の先端まで出て来て、握手を求める観客たちに笑顔で応え、和やかに交流。会場は溢れる拍手と歓声に包まれ、日中友好の真の姿を見ることができました。
観客からは次のような感想が寄せられました。
「京劇は初めて見たが、とても面白かった。特に『秋江』の舟の所作がよかった(30代、男性、バルセロナから来たスペイン人)」
「舞台の広さに比べ役者が少なく、生演奏でもないので寂しく感じた。しかし、だんだん盛り上がってきてとても楽しめた(50代、女性)」
「留学生から京劇のチケットをもらって来た。決めのポーズが日本の歌舞伎と同じですね。孫悟空のアクロバットが面白かった(60代、男性)」
「2008年の公演も見た。やはり孫悟空が好き。今回の演目はとても面白かった(70代、男性)」(滝・押)
北京風雷京劇団とは
北京市を拠点に活躍し70年以上の歴史をもつ劇団。著名な京劇俳優を数多く養成し、伝統を守りながらも、より多くの人たちに楽しんでもらえる京劇をめざしています。
年間公演回数は500回を超え、中国中央電視台(CCTV)などへの出演はじめ、アメリカ、イギリス、ロシア、日本、マレーシア、オーストラリアなど海外公演も含め、中国の伝統演劇界で出演回数が最も多い劇団のひとつ。国内外の京劇ファンから熱く注目されています。
今回は、役者15人(男性11人、女性4人)と、裏方スタッフ4人(男性2人、女性2人)の合計19人の団員が来日しました。