日中友好新聞
2013年7月5日号1面
尖閣諸島問題の平和的解決を
各界著名人がアピール発表
昨年9月の日本政府の「尖閣諸島国有化」宣言以来、日中関係は最悪の事態となり、いまだにその解決の出口が見えていません。事態を憂慮した各界の著名人が7月1日、「平和的な話し合いを通じて尖閣問題の解決を」と題するアピールを発表しました。日本中国友好協会は、これに応え全国規模で「賛同運動」を展開し、国民世論を大きく結集する活動を開始しました。
「日中平和友好条約」の精神に立って
「平和的な話し合いを通じて尖閣問題の解決を」と呼びかけたアピール
※サムネイルをクリックすると原寸の賛同署名用紙を表示・プリントアウトできます(PDF13.6KB)
呼びかけたのは、池辺晋一郎(作曲家)、上里賢一(琉球大学名誉教授)、大城立裕(作家)、ジェームス三木(脚本家)、進藤榮一(筑波大学名誉教授)、辻井喬(詩人・作家)、長尾光之(日本中国友好協会会長・福島大学名誉教授)、森村誠一(作家)、安井三吉(神戸大学名誉教授)、山田洋次(映画監督)の10氏。
アピールは、尖閣問題をめぐり両国の対立が激化し、緊張状況が続いている事態を憂慮し、この事態の発生によって両国の人的、経済的関係、交流が大きな打撃を受けていること、このままの状態が続けば、長年にわたって積み重ねてきた両国国民の友好的な成果を大きく損なうことになりかねないと指摘。
局面打開のために、「相互の関係において、すべての紛争を平和的手段により解決し、武力または武力による威嚇に訴えないことを確認する」(日中平和友好条約第1条2項)の精神に沿って「平和的な話し合いによって解決する」よう呼びかけています。
※呼びかけ人の辻井喬さんの「辻」はOSによって見え方が異なりますが、「いってんしんにょう」です。
アジア共生のため日中の協力は不可欠
そのうえで、それぞれ次のようなコメントを添えています。
「日中友好関係のメディアに限定せず、広い分野の諸機構に働きかけていただきたい」(池辺氏)
「両国政府への『友好協会』らしい働きかけを期待しています」(大城氏)
「この百年間で、もっとも多く外国人を殺した国のワーストファイブを挙げてみれば何かが見えてくる」(三木氏)
「アジア共生の世紀を生き抜くために日中の協力は不可欠です。初心に返って尖閣の平和的解決をはからなくてはなりません」(進藤氏)
「今日の中国を見ると60数年前から70数年前の日本を見ているような気がします。今日の中国が日本のかつて歩いた道を踏ませないためにも、日中の対話と友好を維持することが日本の使命と思います」(森村氏)
数千人規模の「賛同運動」を展開
協会は、尖閣問題について「日本側は直ちに領土問題をめぐる紛争が存在していることを認め、中国側は日本側の実効支配を覆そうとするやり方を厳に慎むとともに、威嚇行為を停止し、双方が解決に向けて話し合いに入るべきです」(第62回大会決定)と述べています。この立場は「アピール」と一致するものです。
協会は、「アピール」に応えて、全国的な賛同運動を開始しました。全国レベル、都道府県レベル、区市町村レベルとそれぞれの段階で広範な個人・団体の賛同者を大きく広げ、全体では数千人規模の賛同者をめざしています。第1次の期限を9月末に置いています。(宣)