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日中友好新聞

2013年5月25日号1面
協会主催第45回全国コンクール
「きりえの現代」を如実に表現
前田 尋

 4月に行われた日中友好協会第45回全国きりえコンクールでは、「大人の部」に9府県から47人80点の作品、「ジュニアの部」に1団体と個人12人の12点の作品が寄せられました。審査の結果、「大人の部」の最優秀作に竹内宜子さん(岡山市)の「想い」、日中友好協会会長賞には、成田静子さん(秋田市)の「愛の舞」が選ばれました。「ジュニアの部」では最優秀作に坂上睦月さん(岐阜県関ヶ原町)の「ペンギン」が選ばれました。

 

応募点数は昨年並み

 

写真1 日本中国友好協会
竹内宜子「想い」最優秀作
写真1 日本中国友好協会
成田静子「愛の舞」会長賞

 第45回全国きりえコンクールの審査は、4月21日に行なわれました。
 このコンクールは、きりえの創作を始めて2、3年の人から、10年、20年の創作者が出品し、最新のきりえ創作の世界を問う、きりえの現代を如実に現わすものといえるでしょう。今年の応募者数・点数ともに昨年とほぼ同数でした。
 今年の特徴として、人物画が少なく、平均的な作品が多く、際立った目につく作品が少なかったと感じました。
 審査は、全作品を一堂に並べ、個々の作品と全体を比較しながら、入選に及ばない今一歩の作品を準入選として外してゆき、50点余の入選作品を決定。次いで準入選とした作品を再度並べ、若干の作品を入選に引き上げました。さらに入選作品の中から、佳作以上の作品を20点弱選び出しました。突出した作品はないものの、応募作品の4分の1ともなると、テーマのはっきりした、主張のある作品は、表現上もそれぞれ工夫され、強く目に訴えてきます。

 

優秀作12点―新鮮な視点が特徴

 

 きりえは制約の多い絵画表現です。一枚の紙から切り出す絵の世界は、制約を乗り越え、また自在に操り、逆にその制約を生かすことによって、作者の表現の幅は大きく広がるとも言えます。
 佳作から選び出された12点の優秀作は、切ることによって描く絵画の世界の広がりと深さ、充実した手法を確実に表現につなぎ、新鮮な視点で主題をまとめた作品が多く目に付きました。それは作者がどのように物事を見ているか、見えるかの大事さです。ただ見えたものを表現するのではないのです。表面的な薄っぺらいものにしてはいけません。

 

最優秀「想い」 会長賞「愛の舞」

 

 最優秀作に選ばれた竹内宜子さんの「想い」。決して目新しい構成ではないが、白黒で表現された女性の体と両手に抱かれた球体に写し出される幼き命、視線をカットした頭の赤い編み物のかぶりもの、魅力的な手の表現、困難な今の時代への愛を思わせる。
 日中友好協会会長賞、成田静子さん「愛の舞」。ギターを奏する人の向こう、自在に踊る赤いドレスの女、色の明るさ、色面の踊る楽しさがある。
 優秀作、黒川慶子さん「明治村にようこそ!」。博物館の入口、重厚な入場門から望む風景、2人の人物と奥の洋風建物、大きさの対比で入りたい気持ちが現れている。
 佐野和俊さん「微笑」。アンコールワットか、巨大な石像、微笑みをたたえた姿に感動した。黒の色面をうまく配置して観光客との比較で大きさを伝える。
 住田美恵子さん「菜災(さいえん)」。形のいかにも悪いニンジン、捨てられたものが、必死に芽を伸ばそうとしている強烈な赤。
 荒木史子さん「師走の商店・周防徳山にて」。鏡餅を飾った小さな商店、いっぱい並べられた商品を丁寧に描いて、話し込む主人と客、奥ののれんの「ようこそ」が店の心意気を表している。
 藤井恵美子さん「明治村」。レンガ作りの門、鉄扉を閉じた入口、その奥に見える洋館、あまりにも固い構図だが、押さえた彩色が目を鉄扉にひきつける。
 加藤文代さん「大樹に抱かれて」。お寺の経営する保育園、保育士に引かれてゆく子どもたちがいかにも可愛い。スッキリと描かれた本堂、大樹が見守る。
 早瀬ふさこさん「ナポリの風」。大きな団地のベランダの動きある楽しさ。
 伊與田博さん「ガイド」。少ない人物画の一つの典型、表情が優しい。
 杉山恭子さん「1/fゆらぎ」。神社の手水所、龍の造りものから落ちる水が作る水紋、ゆったりとした時間。
 中西知恵子さん「祈り(高野山奥ノ院)」。大きな杉に囲まれた参道の暗さと明るい彩色の妙。
 (きりえ委員会委員長)

 

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