日中友好協会(日本中国友好協会)

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日中友好新聞

2012年04月25日号1面
50年来の願い ついに実現
孫文と熊楠の再会跡地に説明板設置
和歌山県連 記念の「つどい」盛大に

 横浜に亡命中の孫文が1901年2月、ロンドン時代に親密な交流のあった博物学者の南方熊楠を和歌山市に訪ね再会を果たし、市内の和歌浦の料亭「芦辺屋」で旧交を温めました。
 その料亭跡地に3月、2人の再会を明記した説明板の設置が実現し、同月25日、再会跡地近くの「和歌浦アートキューブ」で、日中友好協会和歌山県連主催の「記念のつどい」が盛大に行なわれました。

 

県知事や市長も賛同

 

写真1 日本中国友好協会
説明板を囲んで記念撮影

 この説明板設置に至るまで、日中友好協会和歌山県連が50年前から、「孫文と熊楠の交流に光を」と訴え、さらに「和歌浦の再会跡地に説明板設置を」と提起し、県、市に働きかけてきました。
 最近は、2006年に、地元の和歌浦自治会連合会長、同観光協会長、和歌浦フォーラム代表が賛同署名した県連申し入れ書を、橋爪利次和歌山県連会長ら県連役員が木村和歌山県知事(当時)、大橋和歌山市長に手渡し、知事、市長とそれぞれ懇談、賛意を得ました。
 その後、万葉の景勝地としての和歌浦が国の名勝地に指定されたこともあって、実現が遅れましたが今回、ついに設置が実現したものです。
 橋爪利次会長は、「ついに説明板ができました。この地を日中の友好と交流の拠点に、そして中国からの観光客がたくさん来訪し、観光地和歌浦の活性化に大きく役立つことを願っています。また、今回は『説明板』ですが、やがてみんなの力で、記念碑建設、記念会館建設へと発展することを期待したい」と語っています。

 

会場あふれる参加者

 

写真2 日本中国友好協会
「中国の歌、日本の歌」をうたう記念合唱団

 3月25日の「記念のつどい」は予定を大きく超えて250人余りが参加。「つどい」を後援した和歌山県、和歌山市、和歌浦自治会連合会、和歌の浦観光協会の各代表らが出席。また、来賓として大阪総領事館、和歌山華僑総会代表が出席しました。
 協会関係から、本部の長尾会長のメッセージが寄せられ、本部代表として桐畑米蔵本部常任理事(京都府連)、兵庫県連代表が出席、各地方組織からも多くの祝電が寄せられました。太極拳、歌声サークルからも参加しました。
 「つどい」は、小籔真一和歌山県連副理事長の司会で進められ、由井勝副会長が主催者あいさつ、来賓の大阪総領事館の胡元元さんが祝辞を述べました。
 この後、雑賀光夫副会長がスライドを使って経過報告と協会の活動紹介を行い、由井さんの指揮で「記念のつどい合唱団」による草原情歌、北国の春など「日本の歌、中国の歌」を合唱。
 記念講演では、「南方熊楠と孫文の交流」と題して橋爪県連会長、「孫文と『知音』南方熊楠」と題して和歌山市立博物館の武内義信主任学芸員が登壇、みんなが熱心に耳を傾けました。
 最後に、幡川文彦副会長が閉会のあいさつ、会場があふれるばかりで多くの人が立って最後まで聞いていただいたことにお礼の言葉を述べました。

 

再会跡地や周辺を散策

 

写真3 日本中国友好協会

中国の西湖によく似た
和歌浦の景色(観海閣)

 「つどい」の後、説明板を設置した「芦辺屋跡地」と中国の西湖に似た周辺の景観を眺めるために、散策しました。和歌浦は万葉の景勝地として有名ですが、中国文化の取り入れに熱心だった紀州藩が中国西湖を模して建造物や橋などを建設しました。
 芦辺屋跡地近くの低い山に登った人たちから「西湖に似ている」という声があがりました。和歌山県連では、この後も、希望者を募って散策会や孫文と熊楠の史実を学ぶ講座などを計画したいと語っています。
 「つどい」参加者に協会案内と入会申込書を手渡し、入会申込者がありました。(民)

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