日中友好新聞
2011年9月25日号1面
東京都連が60周年記念 太極拳交流会
1300人が壮大で多彩な競演
日本中国友好協会東京都連は10月1日「創立60周年」を迎えます。この最大の記念行事として、9月3日神奈川県川崎市のとどろきアリーナで「第八回太極拳交流会」が開催されました。これには、東京を中心に関東近県、愛知・高知・鳥取・鹿児島などから1300人以上が参加し盛大な記念のイベントを展開しました。
“台風吹き飛ばす勢い”で
交流会開始!簡化24式太極拳を大観衆の前で披露
台風余波の荒れ模様のなか、貸し切りバスのピストン輸送で参加者が続々と到着、華やかで、個性的なユニホームが会場のメインアリーナを埋めました。
午前10時、高橋清枝都連太極拳委員長が高らかに大会の開会を宣言。石子順会長が「台風も吹き飛ばす勢いで大成功させ、太極拳を通じて日中友好の輪を広げましょう」と主催者あいさつ。中国大使館の張成慶参事官は「太極拳は、中国古来の伝統的なスポーツ、大きな発展を祝します。60周年を機にさらに飛躍を」と激励しました。
松田英子本部副会長(指導員)が、東日本大震災被災者に追悼・お見舞いを述べた後、「32年前、細々と始めた太極拳が、ここまで大きく発展したのは、愛好者の熱意、日中友好協会の努力、指導員の献身の3つが結びついた成果です」とあいさつしました。
その後、参列した中国大使館の呂新鋒三等書記官と協会本部、都連役員が紹介されました。
100のエントリー、目を見張る進歩と向上
動作の区切りで「パシリ!」と決まる
大迫力の太極功夫扇表演
表演は、午前10時過ぎから、午後4時前まで6時間に及びました。
エントリー数はなんと100にのぼり、演じられた種目は、簡化24式、88式、48式、総合42式、32式剣、42式剣、対練、広播太極拳、楊式、陳式38式、陳式簡化、陳式心意混元、五禽戲、健身太極扇、太極功夫扇、夕陽美功夫扇、陳式剣、長穂剣、連環刀、楊式刀など実に多種多様。指導員による個人表演も行なわれました。
出演者は「日頃の腕の見せどころ」と真剣そのもの、またリラックスもして懸命に演じました。90歳を超す参加者も熱演。それぞれの表演のたびに「素晴らしい」「凄い」「良く揃っている」など共感と感動の拍手が会場を包みました。
締めくくりに、張紹偉老師(中国武術協会会員・中国国家一級審判)と、彭L芳老師(江蘇省南京武術館教師・武当拳法協会指導員)が、模範演技を披露、見事な表演に会場の各所からため息がもれました。
“健康・生きがい・仲間づくり”の糧に
二人一組になり交互に攻撃と防御の動作を行う対練
参加者に感想を聞いてみました。初参加の島長香代子さんは「今年の4月から練習を始めました。普段は自分の動作だけに気を取られていますが、今日のように皆さんの演技を見ることも大変参考になる」と見て覚えることが大切だと語りました。
多くの参加者が「太極拳はゆっくり動くことと言われているが、今日の張紹偉老師の超ゆっくりな表演を見て納得した」と感動覚めやらぬ表情でした。
遠く鹿児島県屋久島から参加した大迫八千代子さん(86歳)は「20数年前、東京で初めて松田先生に習った。その頃を想い出し、懐かしさ一杯で参加しました」。
30年の太極拳歴を持つ指導員の福岡和恵さんは「太極拳を極めることは、厳しく難しい。しかし毎回新発見がある。だからやめられない」とベテランらしく落ち着いたコメント。
交流会に4回参加しているという彭L芳老師は「愛好者の広がりと、技量の向上は目を見張るものがあります。日々の努力と、何よりも継続していることに感銘しています。健康のためいくつになっても続けて欲しい」と期待を込めて語ってくれました。
日中友好協会が主催する太極拳講座には、全国で6000人を超える人たちが参加。東京・関東地域の愛好者は、約2000人、30%以上を擁しています。60周年を機に「さらに新たな飛躍へと進むことは間違いない」との意を強くしました。(大田宣也、写真:荒幡孝司)