日中友好新聞
2010年12月5日号1面
充実の5日間、日中の友情深まる
北京秋天のもと太極拳中国研修
日中友好協会は10月11日から17日まで北京体育大学で第11回太極拳中国研修を実施、12都道府県から62人が参加しました。研修団の団長を務めた丸山至本部副理事長に報告を寄せてもらいました。
太極拳32式剣の練習
(いちばん手前が陳秀龍老師)
実際の研修プログラムは、12日から16日までの5日間、24式簡化太極拳(指導=宗維潔老師・以下同)、32式太極剣(陳秀龍老師)、42式太極剣(劉玉萍老師)、42式総合太極拳(楊麗老師)、陳式簡化太極拳(武冬老師)の5種目で行ないました。
滞在中は連日快晴に恵まれ、暑くもなく寒くもなく、絶好の条件、まさに「北京秋天」のもとで太極拳の研修と北京の生活を満喫できました。
高いレベルの指導で修練
手とり足とり、
陳式簡化太極拳の練習
5人の老師は今までの研修でもお世話になったことのある先生方で、顔なじみの参加者も多く、和やかな中にも、厳しく、有意義な研修を行なうことができました。
参加者は次の感想に見られるように、ほとんど全員が満足できたといっていました。
「初心者にはもったいない先生に教えていただき、そのすごさを実感できました。上達への道を歩みたいと思います」
「気をつけなければならない体の動きなどを熱心に詳しく説明してもらい、通訳も身振り手振りを交えて説明してくれてとても勉強になりました。参加者とも楽しく過ごしてあっという間の5日間でした」
「基本功はとても分かりやすく、楽しく学ぶことができました。また、改めて基本功の大切さを感じました」
研修は種目ごとに初心者から10年、20年の経験者が一緒に行ないましたが、老師がどのレベルに焦点を合わせるか難しかったと、もらしていたと聞きました。また、参加者も同じレベルでの研修をしたいという思いもあり、今後は、研修する種目の套路(順番)を自分でできること、などの条件も考える必要があるのではないかと感じました。
中国文化理解につなげよう
あいさつする金暁平
北京体育大学国際教育学院院長
13日の夜は、北京体育大学の招待宴があり、体育大学国際教育学院金暁平学院長は、「1週間という短い期間ですが、みっちりと太極拳を学んでほしい。日中友好協会と大学の交流を一層深めていきたい」とあいさつ。
研修団の丸山団長あいさつでは、この研修を太極拳だけに終わらせるのではなく、中国文化の理解にもつなげ、日中友好を進めたいと強調しました。
日中友好協会主催の中国研修は今回で11回目。いままでで400人以上が参加、今回はもっとも多い参加の研修でした。11回すべてに参加している方もあり、中国での研修が好評で得るものが多いという結果であると思います。
参加者の年齢は比較的高く、50代以上がほとんど。また、半数近くが初めての参加者でしたが、1人の故障者もなく全員が最後までがんばり、帰国できたことは、さすが、日ごろの研鑽のたまものといえるようです。
今後の改善課題も
簡化太極拳の練習
(左が宗維潔老師)
中国での研修は、今までも含めて研修の内容にはほぼ全員が満足していますが、いくつかの改善すべき問題もあると感じました。
大学の授業が始まっている中で、老師の都合で代わりの先生が担当する、研修する時間帯が変わることがあり不規則、老師の話を通訳してくれるが良く理解できないなどの意見とともに、ホテルの設備、食事などの点を指摘する声もありました。
今までの研修の経験から、多くの点で改善されており、また、大学の授業が始まった困難な条件の中で大学側や旅行社が最大限の努力をしてくださったことには感謝の気持ちでいっぱいです。
そうしたなかでは、外国での研修、生活でありある程度やむを得ない事情はありますが、参加者がより楽しく充実した研修を行なえるようにするために、今後改善してほしい点もあると感じました。
尖閣諸島の問題などで日中関係が微妙な状況にある中で、研修の後半には、日本での中国大使館などへの抗議行動があり、中国でも「反日デモ」が始まりました。しかし、研修には影響はなく、参加者も満足して終えることができました。
さまざまな問題があったとしても、太極拳の研修をはじめとした国民と国民の交流の大切さも感じ、また、来年も、より充実させて参加者に少しでも満足してもらえるように準備していくことが大事であると感じた研修旅行でした。