日中友好協会(日本中国友好協会)

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日中友好新聞

2010年8月15日号1面
協会創立60周年記念事業、期待集まる
記念講演とシンポジウム、10月に開催

 1950年10月1日の日本中国友好協会の創立から60年。協会は、この歴史に誇りと確信をもち、運動の未来を展望する記念事業に取り組んでいます。とくに、北海道で幕を開け大きな反響を呼んでいる漫画展はじめ、10月の記念講演とシンポジウムの開催、60年の歩みを振り返るブックレットの刊行に期待が寄せられています。

 

講師は伊藤敬一氏

 

写真1

伊藤名誉会長も講演へ

 協会創立60周年の「記念講演とシンポジウム」は、10月9日(土)の午後、東京ガーデンパレスで開催、当日夜には内外の関係者を交えたレセプションを同会場で開催します。
 全国の皆さんにもできるだけ参加いただけるよう全国理事会を翌10日から11日に設定しました。
 記念講演は、伊藤敬一名誉会長に、この間の友好関係の変遷と協会が果たしてきた役割を中心に、2万人の会員を視野に「日中関係と日中友好運動の60年と未来」と題して話していただきます。

 

各分野の第一人者が登場

 

写真2
シンポでは総合司会を担当。
写真は6月の撫順戦犯管理所開所記念座談会。

 シンポジウム「日中関係の未来を展望する」の総合司会は、協会顧問の姫田光義中央大学名誉教授、中国語委員会委員長でもある加藤三由紀さん(和光大学)で、二部構成とします。
 第一部は、過去の日本の加害の歴史と日中歴史認識に焦点を当て、「歴史の自省から新たな日中関係を模索する」のテーマで石島紀之(フェリス女学院大学名誉教授)、山田朗(明治大学)、劉傑(早稲田大学)の各氏が専門の立場から報告します。
 コーディネーターは協会広島県連理事長の水羽信男さん(広島大学)にお願いします。
 第二部は現在から将来に目を転じ、「現状を分析し未来を展望する」と題して、大西広(協会常任理事、京都大学教授)、羽場久美子(青山学院大学教授)、毛里和子(早稲田大学名誉教授)の各氏にそれぞれ中国経済の現状、東アジア共同体、日中関係の未来などを語っていただきます。
 こちらのコーディネーターは京都府連合会会長の宇野木洋さん(立命館大学)です。
 協会内だけでなく、ぜひ幅広い各界の方々にも参加していただき、協会の活動内容も理解してもらう機会にしたいと考えています。

 

シンポジウムの開催に当たって

日中関係の明るい未来のために 姫田光

 世界的な異常気候に見られるように、今人類は未曾有の自然変異のなかで未来への生存と希望をかけて叡智をしぼらなければならない時代に至っています。人びとが仲良く共存共生する意識と思想が今ほど必要とされている時はないようにさえ感じられます。
 それを図るため第一に大切なことは、近隣の人びと、とりわけ中国や韓国・朝鮮と手をつなぎ理解し合うことでしょう。日中友好運動はまさにそのためにこそ大切なのだと思います。
 シンポジウムは、反戦平和と日中友好のためにたたかってきた友好協会の60年の歩みを踏まえながら、これからの日中関係の望ましいありようを模索するということを主題に、それを多角的多面的に検討しようとするものです。
 第一部は、日本の侵略戦争という歴史事実の反省・自省の上に未来を考える、第二部は現実の厳しい国際情勢を認識しつつ未来への展望を切り開こうというものです。
 日中友好の志を同じくする人びとならば、思想信条や政党政派の垣根を超えたところで話し合うことができると信じます。シンポジウムにパネリストとしてご参加くださるのは、今日学界の第一線で、かつ日本のオピニオンリーダーとして活躍されている方々です。
 できるだけたくさんの人びとが参加し、そこから志を同じくする方々が結集してくださることを期待しています。

 


ブックレット「60年のあゆみ」発行へ

 ブックレット「日本中国友好協会創立60周年記念『日中友好運動のあゆみ』」は協会の60年の歴史を振り返り、これからの展望も見すえることのできるものにするよう編集が急がれています。
 協会が創立されて60年、日本も中国も、世界も大きく変わってきました。協会は創立当初、アメリカ占領軍の妨害のなかで活動を展開、中国との関係が断たれたなかで、友好運動のあり方を確立し、平和・不再戦運動を柱とする活動をすすめ、太極拳や中国語をはじめとした文化活動も大きく発展させてきました。
 日中国交回復が実現(1972年)、協会と中国との関係が正常化した21世紀は、それまでの運動の蓄積を基礎に大きく花開いています。
 ブックレットでは、この協会のあゆみを、運動への確信を新たなものにしていけるようなものにしたいと編集会議を重ね、分かりやすく簡潔にまとめています。
 60周年記念事業実行委員長の田中義教理事長は、「このブックレットを全国で普及し、会員はもちろん、新しい会員やこれから会員になろうかという人もふくめ、1人でも多くの人に読んでもらえるようにしたい。そして、連合会や支部で学習会なども計画して、協会の歴史と運動を理解し、これからの運動の発展に役立ててほしいと思います」と語っています。
 ブックレットは、A5版、120ページ前後で定価は800円、10月1日発売を予定しています。

 


漫画展、17ヶ所が決定
全都道府県での開催めざす

写真

福岡では、協会組織のない北九州市の八幡区と岡垣町で「漫画展を通じて支部をつくる」との意気込みで準備

 60周年記念事業の目玉の一つである、漫画展「中国からの引き揚げ〜少年たちの記憶」は、これまでに北海道・宮城・福島・山形・東京・神奈川・山梨・愛知・福井・岐阜・山口・福岡・宮崎・沖縄の14都道県で17ヵ所の開催が決定または予約され、さらに埼玉・群馬などでも検討されています。
 「漫画展」は、著名な漫画家の作品を通して、日本が行なった「中国侵略戦争」の事実を伝えようとするものです。
 出品者の1人で「あしたのジョー」などで有名なちばてつやさんは「私のすべての漫画の原点は、中国引き揚げ体験。可能なことは協力する」と力強いメッセージを寄せ、同じく出品者で漫画家協会事務局長の森田拳次さんも「講演でもなんでも引き受けます」と語るなどの熱の入れようです。
 石子順(漫画評論家)実行委員長は「漫画展は、中国南京でも大変な反響を呼びました。すでに計画している各地でも、前評判はいいようです。開催すれば必ず成功します」と断言、全国すべての都道府県での開催を呼びかけています。

 

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