日中友好新聞
2010年7月5日号1面
日本中国友好協会第59回大会
60年の歴史に誇りと確信もち
“草の根”友好の輪を広げよう
日本中国友好協会は6月12、13の両日、東京都内で第59回大会を開催。全国各地から代議員、評議員、役員ら320人が参加し、大会議案、大会宣言、決議などをすべて全会一致で採択、新年度役員を選出しました。
大会は、協会創立60周年を迎えた今年の全国的な運動の高まりを反映し、「不再戦・平和の旗をさらに高く掲げ、2万人の組織目標実現に向け奮闘しよう」と、2日間、熱気あふれる討議を繰り広げました。
炎天下、320人が集う
大会要員の努力ですっかり整えられた会場には定刻前から参加者が続々と到着、再会を喜び合う声があちこちに聞かれ、雰囲気が盛り上がりました。この日の東京は真夏並みの暑さ。会場地元の会員は炎天下、参加者を屋外から入口に誘導する役目を率先して引き受けました。
初日午後、大会の開会が宣言され、4人の大会議長を選出、前大会から1年間の会員物故者28人に全員で黙祷を捧げました。
張成慶参事官(左)と長尾光之会長
(伊那谷峯雄さん提供)
あいさつに立った長尾光之会長は、1950年の創立いらい日中友好協会がさまざまな困難を乗り越えて大きな成果をあげてきた60年の歴史を振り返りつつ、今後も日中両国間の「不再戦・平和」、人類の平和のため、いっそう豊かな活動を展開しよう、と呼びかけました。
来賓4人があいさつ
来賓として、中国大使館友好交流部の張成慶参事官、日本平和委員会の千坂純事務局長、日本共産党の笠井亮衆院議員、首都圏移住労働者ユニオンの本多ミヨ子代表があいさつ(発言順)。4氏はそれぞれ協会創立60周年を祝い、日本と世界の情勢の大きな変化のなかで日中友好運動の意義と協会の役割が一層大きくなっていることに言及し、今大会の成功に期待を表明、大きな拍手に包まれました。
一昨年の四川大地震、今年4月青海省で起きた大地震に対し、協会員が全国で募金し本部に集計された義援金(100万円)の目録が、会場で長尾会長から張参事官に手渡されました。
内外の諸団体・個人から多数の祝電・メッセージが寄せられたことが報告され、そのうち、中日友好協会、宮崎県都城市長長峰誠氏からのメッセージが読み上げられました。中国からは、今大会に中日友好協会のほか、中国国際交流協会、山東、江蘇両省の人民対外友好協会、南京大虐殺記念館、北京風雷京劇団、中国中日関係史学会、中国社会科学院からメッセージが寄せられました。
田中義教理事長が大会議案について提案、議案発表以後の情勢の変化(鳩山首相辞任と菅内閣の誕生など)を説明するとともに、大会までに13件の質問・意見が寄せられ、それにもとづいていくつかの修正、補足をしたものを提案したいと述べました。
会員300余人の純増
参加者紹介で立ち上がる中国ブロックの人たち。
手を挙げているのは大会初参加者
続いて、09年度決算報告と会計監査報告、10年度予算案の提案があり、さらに、@仲間づくりの活動A戦後補償問題B協会創立60周年記念漫画展の3問題で補足提案が行なわれました。
「仲間づくり」では、昨年の大会以後、滋賀県支部、和歌山市支部、文京支部(東京)、西さがみ支部(神奈川)、筑紫支部(福岡)、町田支部、世田谷支部(いずれも東京)の7支部が結成あるいは再建され、1年間に会員・準会員300人以上の純増、5年連続増勢で今大会を迎えたことが報告されました。
「戦後補償問題」では、強制連行事件や遺棄毒ガス被害事件などの被害者に対し、政府、企業の責任で制度としての補償基金創設、医療・生活保障を行なわせる課題の重要性が強調されました。
「漫画展」では、日本漫画家協会の援助を受け、今年から来年4月にかけ、協会の記念事業として漫画展を全国で開催し、「不再戦・平和」気運拡大に寄与する方針が説明されました。
36人が熱気溢れる発言
議案討議では、初日午後から2日目午前にかけて合計36人が発言。これらの発言は、組織拡大のための仲間づくり、戦後補償、帰国者対策、研修・実習生問題、草の根の友好交流、文化・学習活動、不再戦・平和、基地返還、核廃絶の取り組みなど、すべてが各地の地道で多彩な活動を生き生きと紹介する内容で、満場の参加者に大きな感動と確信を与えました。
「討論のまとめ」を行なった矢崎光晴事務局長は、発言のこうした特徴を総括したうえで、「今なぜ日中友好運動なのか」を改めて全国で学習し、それを基礎に10月の協会創立60周年記念日に向けて各分野の活動を強化し、「2014年までに2万人」の目標を達成できる力をつけていこう、と強調しました。
全議案を全会一致で採択
09年度活動報告、10年度活動方針、09年度決算報告、同会計監査報告、10年度予算の各採決では、すべて全会一致で採択されました。続いて、10年度新役員が選出され、新役員を代表して長尾光之会長があいさつ、「この1年、新役員を中心にして頑張ろう」と訴えました。
フィナーレで「東京−北京」を
高らかに歌う参加者
新支部、再建支部、優秀組織・個人、20年・30年・50年会員、物故者、機関紙・きりえコンクールの表彰・顕彰の後、第59回大会宣言と、「戦後補償問題の解決のために」、「米軍普天間基地の即時・無条件返還を」、「核兵器のない世界へ」の3決議を満場の拍手で採択しました。
「東京・北京」の大合唱
最後に、大会要員のメンバーと本部事務局員4人が紹介され、大会運営と日常業務の奮闘に大きな感謝の拍手が送られました。締めくくりは恒例の「東京・北京」の大合唱。全員が手を取り合って大会の成功を喜び、今後の活動の決意を固め合い、来年の再会を期して全日程を終えました。