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日中友好新聞

2009年10月15日号1面
「近代化」達成へ新たな一歩
北京で中国建国60周年式典

 

 北京の天安門広場で10月1日、中華人民共和国の建国60周年記念行事が盛大に行われました。

胡主席、「各国の友人に感謝」

 国歌「義勇軍行進曲」が吹奏され、60発の礼砲が鳴り響き、軍隊の閲兵式と行進が展開されました。
 18万人が参加した市民のパレードは、隊列ごとに「奮闘して創業」「改革・解放」など過去・現在・未来を象徴する7つのテーマをアピールし、華やかに彩られた60台の山車(だし)も加わって、祝賀ムードを盛り上げました。
 60年前のこの日、「中華人民共和国の成立」が高らかに宣言された天安門の楼閣には、胡錦涛主席はじめ各首脳が立ち並び、参加者の歓呼に応えました。
 胡主席は演説のなかで、60年の歴史を振り返りつつ、「中国の特色をもつ社会主義の道をゆるぎなく歩む」と指摘。「独立自主の平和外交」を推進し、世界各国人民とともに「和諧世界」を築くと述べ、「中国の発展に配慮と支持を寄せている各国の友人に心からの感謝」を表明しました。

GDPで近く世界第2位へ

 中国人民は抗日戦勝利(1945年)を基礎に、1949年、反帝反封建の民主主義革命を成功させ、社会主義をめざす道に踏み出しました。
 それ以来60年、遅れた貧しい国情で、わずか35ドルだった1949年の国民1人当たり国内総生産(GDP)は3266ドル(08年)にまで伸びました。現在、中国のGDP総額は遠からず日本を追い抜き、アメリカに次ぐ世界第2位に達するという勢いです。
 国際的にも、建国当初18にすぎなかった中国との国交樹立国が今では171カ国に増加(ちなみに国連の現加盟国は192カ国)。最近のG20サミットにも見られるように、現在、国際舞台で中国が果たしている役割の大きさは目を見張るものがあります。
 しかし、こうした道のりは決して平坦ではありませんでした。1950年代の「工農業大躍進運動」の破綻に続き、66年から10年間にわたった「文化大革命」は国内を大混乱に陥れ、国民に苦難を与えたばかりでなく、対外的にも多くの国に干渉の傷跡を残し、とりわけ、日本の革新・民主勢力に対する干渉は、関係正常化までに30余年を要した重大な問題でした。
 この路線の転換点が「文革」終結から2年後、1978年の「改革・解放」政策のスタートでした。市場経済の導入による生産力の増大は、08年までの30年間にGDPの年平均伸び率9.8%という驚異的な経済発展を実現し、昨年来の世界経済危機の打開のためにも「頼りになる協力相手」として諸外国の期待を集めています。
 現在、中国は「改革・解放」下で生じた諸矛盾、貧富の格差、都市・農村間の格差、汚職腐敗、環境悪化などの是正によって、国民生活の「小康」(まずまずの水準)を2020年までに内容のうえで「全面化」し、質的により高度で豊かな社会の実現をめざしています。
 さらに建国100周年の2049年には、社会主義の「初級段階」をほぼ終え、長年展望してきた「近代化」の目標を基本的に達成するという方針を掲げています。

日中関係は「草の根」の交流こそ

 こうした中国の前途を見通すと、日中関係の発展はいっそう重要な意味をもちます。
 新華社電によると、9月21日、ニューヨークで鳩山新首相と会談した胡主席は「日中関係発展のための5項目」を提案。その3番目に「国民感情を増進し、民意の基礎を固める」をあげ、青少年、中・青年幹部、文化、メディアの交流発展による「国民感情の改善」を提起しました。
 (他の4項目は@ハイレベル交流の強化、政治面の相互信頼の増進A経済貿易協力、利益の結び付きの強化Cアジアにおける実務協力強化、国際実務における協調推進D意見の相違の適切な処理、友好の大局を守る)。
 鳩山首相は、胡主席の見解に「全面的に賛同した」(新華社)とされます。
 この第3項目は、「草の根」レベルで両国民同士の理解を深め合い、心と心をつなぐ運動の前進にとって重要な提案として注目されます。(J)

 

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