日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒101-0065
東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会ビル3F
Tel:03(3234)4700
Fax:03(3234)4703

HOME > 日中友好新聞 > 2009年5月25日号

日中友好新聞

2009年5月25日号1面
上海万博に向けて、感動の共有を
歌手amin(アミン)さんに聞く

 サントリーウーロン茶のCMソングなどで知られる上海出身の歌手、aminさん。自らの歌を通じ、日本と中国の人びとの相互理解を深める活動を積極的に広げています。2010年の上海万博に向けた応援ソングも完成しました。

 

写真

amin(アミン)
本名:巫慧敏(ウー・ホイミン)
 上海生まれ。13歳の時、中国全土のコンテストで優勝、歌手活動を開始し、19歳の時に初来日。日本では、ウーロン茶のCMソングが、大きな話題となった。2005年には、NHK教育テレビ「中国語会話」のテーマ曲を担当、中国の歌のコーナーにもたびたび出演。また、同年「愛・地球博」のファイナルテーマソングを松任谷由実らとともに歌い、NHK「紅白歌合戦」へも中国本土出身の歌手として初めて出場。2007年には、初の著書となる「ウーロン茶のCMソングから、中国語を始めませんか?」(小学館)を出版。昨年11月、「春よ、来い」も収録した、最新作「My Life 、My Songs」をリリース。このアルバムは、台湾でも発売され、香港、マレーシアでも発売予定。
 ☆詳細は、aminオフィシャルホームページ= http://www.amin-wu.com/top.html

子どもの頃から日本に親近感

 

 作曲家の父のもと、音楽に囲まれた環境で育ったaminさんは、12歳の時に当時流行し始めたギターを手にし、13歳でテレビ局主催の全国コンテストで優勝。一躍人気歌手になります。
 高校卒業後、活動の舞台を外の世界に広げ、もっと自分を成長させたいと願うようになった時、子ども時代からテレビドラマなどで親近感のあった日本へ行くことを決めました。

 

「言葉」ではなく「気持ち」で

 

 来日し音楽活動を続けて15年。CMソングのヒットや、憧れの舞台だった紅白歌合戦への出演(05年)も果たしましたが、aminさんは大きな課題にも直面しました。
 「国と国ではなく、人と人の気持ちをつなげるために、自分に何ができるのか?」
 2000年代以降、日中両国の政府関係が特に不正常だった時期、このことを真剣に考えました。
 悩んだ末にたどりついた答えは、純粋に「歌うこと」。
 「日本と中国で半々の生活をする自分が、自然体でできることはこれしかない。そこにいる人と人が感動を共有する空間をつくる役割ができれば」

 そうした姿勢は、07年11月の「日中国交正常化35周年グランドフィナーレコンサート」(北京・人民大会堂)や、08年5月の「四川大地震チャリティーコンサート」(東京・六本木ヒルズアリーナ)など、音楽交流の大舞台への出演につながっていきます。

写真
08年5月に出演した「四川大地震チャリティーコンサート」で(左から4人目)

 「大切なのは、『言葉』ではなく、『気持ち』。日本に来たばかりの頃は、『日本語で歌わなければ』と思っていましたが、ウーロン茶のCMソングがきっかけで、ファンから『中国語を学んでみたい、中国に行ってみたい』という声が寄せられ、とても嬉しかった。中国でのコンサートで日本語の歌を歌ったこともありますが、中国の人も『日本語の曲に感動した』と言ってくれます。日本人も中国人も感じるものは同じだと思います」

 

興味もつ「きっかけ」つくりたい

 

 昨秋発売の最新アルバム「My Life, My Songs」では、松任谷由実さんの「春よ、来い」、谷川俊太郎の詩「ありがとう」や、中国の人びとに愛されてきたヒット曲などを、優しさと爽やかさあふれる声で、のびやかに歌っています。日本語と中国語の美しい歌詞が違和感なく織り交ぜられ、言葉の壁を感じさせない作品です。
 音楽以外でも、身近な感覚で中国への関心を広げる活動に力を入れています。
 今年6月から、中国語会話を通じて上海の食や芸術、ショッピング、音楽などに親しむ「amin Chinese Lounge(チャイニーズ ラウンジ)」を開設。教室形式の語学レッスンではなく、リラックスできる場でおしゃべりを楽しみながら、中国・上海の文化を楽しむ内容で、aminさんはそのナビゲーター役という位置づけです。
 「直接の交流を通じて、多くの人が中国に興味をもってもらうきっかけをつくることができれば」と抱負を語ります。
 上海万博の応援ソング「夢的城市〜海を越えるバトン」は、5月1日NHK大阪「上海万博あと1年」の特集番組で放映されました。万博開幕が近づくにつれて、aminさんの故郷・上海、そして日中両国民を音楽で結ぶaminさんの活動にますます注目が集まりそうです。
(Z)

 

[一覧に戻る]