日中友好新聞
2009年4月15日号1面
学びあい、支えあい30年
東京の太極拳 9月に記念交流会
協会東京都連合会が1978年に太極拳の普及活動を始めてから、すでに30年が経過。今秋、東京で記念交流会が開催されます。
太極拳の練習は真剣そのもの(板橋「華山会」教室)
日中国交正常化以前の1970年代後半頃から、少ない文献を頼りに研究が重ねられ、指導員が養成され、全国各地で太極拳の普及が進められていくなか、東京でも1980年の太極拳ブームを機に、各地で教室がつくられていきました。
現在、都心の日中文化センター教室をはじめ、各地域で62の教室で約2300人の受講生が太極拳を楽しみ、年2回の合宿と初稽古、5つの特別講習会が開かれるなど、盛んな活動が続いています。
30周年記念交流会は、06年に全国の太極拳普及30周年記念交流会が開かれた場所と同じ東京武道館で9月に開催予定。集団および個人の表演で、普段の練習、研修の成果を披露し合い、太極拳を愛好する仲間同士の交流を深めます。
普及は「教える人を育てる」こと
毎年恒例の「新春初稽古」で
東京の各教室で27年間太極拳の指導に当たってきた高橋清枝さん(東京都連太極拳委員長)にお話を聞きました。
高橋さんは1982年に協会の太極拳教室で学び始めました。当時急速に教室が増え始め、多くの指導員が必要とされていたことから、翌年には受講生から指導助手となり、さらに84年から地元・板橋の人びとの要望に応え、指導員となって教室づくりに尽力します。
「各地の要望に応じて教えに行き、それぞれの地域で教える人を育てて、教室が独り立ちできるように指導してきました。協会は自分たちで指導員を育て、太極拳を引き継いできたんです」と高橋さんは語ります。
教室を広げ、太極拳を普及するうえで、指導員の存在は必要不可欠。太極拳合宿や指導員講習が頻繁に行われているのもそのためです。
「協会は太極拳専門の団体ではないので、技術だけでなく、協会の運動や、人としての優しさ、モラルといった指導の心得も大切にしています。ただ、受講生に対しては、相手をきちんと認める接し方を心がけています。指導員が受講生から学ぶことも大きい。『相手から学びあうこと』を大事にしたい」と高橋さんは強調します。
一つ覚えると面白くなる
やさしく、楽しく太極拳を指導する高橋清枝さん(右)
高橋さんと松田英子さん(協会本部副会長、太極拳指導員)らが指導する板橋「華山会」教室では、毎週月曜夜に約20人が参加。高橋さんのユーモアたっぷりの指導で、教室は和気あいあいとした雰囲気です。受講生に太極拳の魅力を語ってもらいました。
「10数年続けているが、体にすごく良い。先生も熱心に指導してくれるからやめられない」(中條利津子さん・同会代表)
「太極拳は一つ一つ覚えると、だんだん面白くなってくる」(島野さん)
「習い始めて、家事が疲れなくなり、中性脂肪の数値も下がった」(柳井さん)
「松田先生や高橋先生の表演を見てうっとりした。自分も気持ちよくできるようになりたい」(中村さん)
高橋さんは「練習を休んでいる仲間がいると、必ず誰かが心配して声をかけてくれるし、練習の後の一杯も楽しみの一つ。温かく支えあう人の輪があります」と、微笑(ほほえ)みます。
華山会教室自体も、今年で25周年の節目。9月の交流会に向けて練習に熱が入ります。
仲間と感動を共有したい
記念交流会について高橋さんは、「普段は会えない多くの仲間に会い、めったに見ることのできない種目も見られます。何より、東京武道館という大きな会場でドキドキワクワクしながら太極拳を披露すれば、爽快感が味わえます。ぜひ多くの方に参加いただき、感動を共有してほしいですね」と語りました。
☆日中友好協会東京都連合会太極拳普及30周年・東京―北京友好交流都市締結30周年記念・太極拳交流会…9月21日(月)午前10時〜午後4時、東京武道館にて。参加費2000円、エントリー料金(1エントリー当たり)個人2000円、集体1人1000円、小中学生、80歳以上無料。東京以外の教室からも参加可能です。
☆記念祝賀会…同日午後6時より。会費7500円。
申し込み、問い合わせは、東京都連合会(TEL03―3261―0433、Eメールtokyo@jcfa-net.gr.jp)まで。