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日中友好新聞

2009年3月15日号1面
中国語学習、本格志向へ
成長続ける中国経済背景に

 昨年らい、チベット問題、冷凍餃子問題などで日本人の対中イメージが悪化していますが、そのなかでも本格的に中国語を学ぼうとする人びとの動きが目立ってきています。

 

「中級」「通訳」などの需要増加

 

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福岡日中文化センター中国語教室のレッスン

 中国教育省が認定する中国語検定試験である「漢語水平考試(HSK)」テストの日本での受験者は、初等、中等クラスを合わせた統計でみると、2001年から2008年の8年間で、2320人から5455人に増加。特に2005年以降も、中等クラスの受験者が大きく伸び、2008年以降もすべてのクラスで受験者が増えています。
 「HSKテストは初心者にとっては難しいレベルですが、最近は中国進出企業の社員や、就職活動に臨む学生などの受験が増えています」(HSK日本事務局の話)。
 中国語学習教材では、「この間、HSKなどの検定対策の問題集や、中級以上の参考書の売り上げが伸びている」(東京・神田の内山書店)、「最近は中級以上の語学テキストや通訳ガイドなど比較的難しい内容の本が売れており、中国で出版されている原書なども需要が増えている。通販の売れ行きも、来店販売よりも伸びています」(神田・東方書店の田原店長)など、「本格志向」のものに注目が集まっています。
 協会大阪府連合会の高瀬龍二事務局長は、現在の中国語受講者の動向について、「経済不況の裏返しで、積極的な中国語ニーズを感じ取っている。個人レッスンなどのサービスや受講料の安さなどを売りにして、応えていきたい」と語ります。
 統計によると、日本から中国への留学生数は年々増加し、1994年から1万人台、96年から1万5000人前後で推移し、08年には1万9000人に。
 昨年の世界金融危機をきっかけに、主要先進国の経済が停滞する一方、高い成長率を維持する中国経済が、今後の世界経済を牽引する役割を担うと目されています。ビジネス、就職など、自身の将来を中国と結びつけ、中国語をしっかり身につけようと、学習に力を入れる人びとの増加が伺えます。中国への留学生が増えていることも、このことを裏付けています。

 

交流を通じて「学ぶ楽しさ」

 

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東京都連合会教室の集中講座

 ドラマ字幕、雑誌などの翻訳を手がけている須田友喜さん(京都府在住)は、日本中国友好協会の中国語教室の「卒業生」。大学時代の卒業旅行で初めて中国旅行をしたのがきっかけで中国への関心を強め、のちに協会岡山支部の教室で中国語を学びました。
 「日本語では体験したことのない発音方法が新鮮でした。中国人の先生と会って話すこと自体が楽しかった」と振り返ります。
 福岡日中文化センターの中国語教室で学ぶ受講生からは、「台湾旅行で現地の人と仲良くなり、中国語で話せるようになりたくて受講した。中国の歴史や社会事情、日本との関係などにも関心がどんどん広がるのが楽しい。学んだ中国語で日本在住の中国人や、来日する中国人の役に立ちたい」(女性)
 「中国旅行で直接現地の人と会話ができると、旅行は10倍楽しい。また、近年中国の大学に半年程度の留学をしていて、いろいろな国の留学生と中国語を使って交流。歴史や文化の勉強もして、中国での交流の場を広げてゆきたい」(女性)
 「簡潔にして含蓄のある表現力、中国語独特の言い回しなどに魅力がある。反面、奥深く究めようとして、なお究めきれない感じ」(男性)など、中国語学習を通しての充実感や希望を語ります。

 

ぜひ中国語を習得して

 

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和気あいあいとした交流も(米子支部教室)

 協会が各地で開催している中国語教室は中国語を学ぶだけでなく、地域の人びととの交流の場、中国の社会、文化に触れる窓口としての役割も果たしています。
 協会東京都連合会教室を担当する小川原浩之さん(東京都連事務局長)は「21世紀は『アジアの世紀、中国の世紀』とも言われています。中国語講座に集う皆さんには、ぜひ中国語を習得していただき、実際に中国の人びとといろいろな話をしてもらいたいと思います。中国語というコミュニケーション手段を使って、日本で報道されているのとは違った面も見えてくるのでは」と強調しました。

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