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日中友好新聞

2009年2月5日号1面
協会代表団が訪中
四川大地震被災地を視察
中日友好協会の招待で

地図 日本中国友好協会代表団が1月11日から訪中し、北京で各団体を訪問後、13日から16日まで四川省で地震被災地の視察などを行いました。
 これは中国日本友好協会の招待によるもので、代表団は、長尾光之会長(団長)、田中義教理事長(副団長)、佐藤勝事務局次長、上田雅美兵庫県連事務局長、木下眞治山梨支部事務局長、三戸栄子広島支部理事の6人。
 中日友好協会の関立丹彡副秘書長、劉夢妍友好交流部員が北京、四川での全日程に随行しました。

 

義援金150万円贈呈
小林製薬から使い捨てカイロも

 

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都江堰の仮設住宅を訪問し、被災者の女性に使い捨てカイロを手渡し激励する長尾光之会長(中央)と田中義教理事長(右)

 13日に成都入りした代表団は、四川省人民対外友好協会の秦琳会長、莫春海秘書長と会談。昨年5月の地震発生以来、全国の協会組織から送られた義援金1700万円に続き、昨年末までに新たに集められた義援金150万円と、代表団訪中に当たって小林製薬株式会社から無償提供された使い捨てカイロ「桐灰ハンドウォーマー」1200個を贈呈しました。
 続いて、団員の三戸栄子さん(広島支部理事)が、広島県連で集めた義援金6万円を秦琳会長に手渡しました。
 秦琳会長は「あたたかい支援をいただき、心より感謝します。カイロは、山間部など寒冷地の人びとにも届けたい」と述べました。

 

商店街に残る歩道の亀裂

 

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地震後、シャッター通りと化した商店街(都江堰)

 7万人もの犠牲者を出した四川大地震で、省内の1000万人以上が家を失いましたが、昨年8月にすべての被災者が仮設住宅に入居できたと報道されました。
 今回、代表団は四川省人民対外友好協会の案内で、観光地として有名な都江堰(とこうえん)市、死者1万1000人以上の大きな被害を出した綿竹市を訪問。地震後8カ月経った被災地、仮設住宅地を視察しました。
 市街地の中心部は活気にあふれていて、犬を散歩させている人の姿も目にするなど、人びとの気持ちも戻りつつある様子でしたが、被害の大きな地域に入ると、多くの建物が倒壊あるいは半壊など大きな被害を受け、歩道には亀裂が走り、倒壊していない場所でも「シャッター通り」となった商店街も数多く見られ、地域経済が受けた打撃の大きさを実感。
 世界金融危機の影響で不景気が深刻化するなか、仕事を失った被災者たちの生活不安が想像されました。

 

仮設住宅で被災者を激励

 

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四川省人民対外友好協会の秦琳会長(右)に、義援金と、使い捨てカイロの目録を手渡す長尾光之会長

 一行は14日に都江堰市で6000人以上が入居する仮設住宅地「幸福家園」を視察。地面はすべてコンクリートで固められ、子どもたちが遊ぶことができる広場も。下水も完備、売店、医療棟や調理室、手洗所なども清潔でした。
 団員の上田雅美さんから「阪神・淡路大震災の際の仮設住宅と比べて敷地が広く、外回りはこちらの方が整っているように感じた」との声も。この仮設住宅を見るかぎり、中国政府の対策は早く、的確と感じられました。
 政府から被災者1人あたり2万元(1元=約14円)の補償金が支払われているとの説明を受けましたが、現在、平均的な価格の住宅を購入するのにはその約3倍もの資金が必要であり、被災者それぞれが住宅の再建に当たって厳しい現実に直面していることが分かりました。
 仮設住宅で1世帯に与えられる部屋は約15平方メートルと狭く、炊事、入浴も共同という「仮設」生活が長期化すると、被災者の疲労も蓄積していくため、物心両面で長期的な支援をする必要があると実感させられました。
 「幸福家園」では、3世帯の被災者を訪問。集合住宅の倒壊で避難してきた60歳代の男性は、「仕事がなく、今も国から援助を受けている」と、1日も早く地震前の生活に戻りたいと願っていました。
 避難生活のなかで医療関係の仕事に就いたという女性は、「亡くなった人の分も働いて復興に頑張ります」と元気に話しました。
 代表団は別れ際に、使い捨てカイロの一部とカレンダー「中国・悠久の旅」(支援募金が含まれていることを紹介)やボールペンなど協会の記念品を贈呈し、被災者を激励しました。
(構成=佐藤勝)
※四川省被災地視察については続報

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