日中友好新聞
2008年12月5日号1面
ジュニアもシニアもひとつになって
25周年迎えた「日中友好囲碁大会」
日中友好協会は11月9日、25回の節目を迎えた「第25回日中友好囲碁大会」を東京千代田区の日本棋院会館で開催、121チーム・567人が参加しました。大きな特徴は、小中学生を中心にしたジュニアが150人も参加したことです。女性の参加も目立ちました。
「囲碁人口の高齢化」が進むなかで、若い世代が多数参加した日中友好囲碁大会は各方面から注目されています。
シニアもジュニアも真剣勝負
四半世紀つづいた注目の団体戦
金子ハルオ大会実行委員長(東京都立大学・大妻女子大学名誉教授)は「四半世紀も続いた600人規模の団体戦は全国でも珍しい。さらに長く続けていきたい」、蘇耀国審判長(日本棋院八段)は「数年前に比べても新しいチームとジュニアが増えたことは嬉しい」とあいさつしました。
無差別14チーム・70人、有段者A(3段以上)24チーム・120人、有段者B(3段から1級)42チーム・210人、級位A(2級から6級)22チーム・110人、級位B(7級から11級)7チーム・21人、級位C(12級から16級)12チーム・36人が参加。
567人が会場いっぱいに熱戦
ジュニアは、かまくら学園54人、武蔵野支部子供教室25人、緑星さいたま25人、足利あすなろ会10人などが、大人を圧倒する棋風で会場を沸かせました。
午前10時から午後5時まで4回戦の長丁場を制し、優勝したのは、無差別は多岐技会、有段Aは日本ユニシス福祉囲碁部、有段B1組はNECソフト、有段B2組はドラゴンを囲む会’84、級位Aは、はま碁&まんぞ会、級位Bは立教大学、級位Cはかまくら学園でした。
「よかった、また参加したい」の声多く
参加者の声を聞いてみました。初参加の、める碁会の男性は「相手が強く負けましたが、面白かった」、また武蔵野支部子供教室の男性は「力で押し切り勝てた。中国の人と対戦してみたい」と勝負にかかわらず満足そうでした。
ベテランの花喰い鳥ルージュの青山典子さんは「一般の人には、団体戦参加の機会は少ない。それを25年間、しかも毎回600人近く集めてきた日中友好協会とそれを後援してきた日本棋院、中国大使館に感謝したい」と感慨深そうに語っていました。
「負けるもんか!」白熱するジュニア同士の対局
苦難を乗り越えて迎えた25周年
日中友好囲碁大会を提唱したのは故石毛嘉久夫九段(日中友好協会本部顧問)。石毛さんは、呉清源と対局した木谷実道場の先輩格の門下生。プロ棋士として活躍するかたわら、1960年から日中友好協会の囲碁対策委員を務め、63年頃に中国を訪問、日中両国間の友好囲碁交流に尽力しました。
1965年には中国囲碁代表団を招請、第1回大会を開催、1966年にはいまでも語り草になっている1000人が参加した東京大田体育館でのジャンボ囲碁大会を成功させました。
しかし、この年から中国で始まった「文化大革命」のため大会は中断、再開したのは1983年でした。以来20年余にわたり審判長として囲碁を通じて日中友好に尽力しました。
こうした苦難の時期を乗り越えて迎えた25周年大会でした。(お)