日中友好新聞
2008年10月15日号1面
いよいよ開幕 北京風雷京劇団 全国公演
北から南へ 3週間の大交流
協会が全国をあげて取り組んでいる日中平和友好条約締結30周年記念・北京風雷京劇団全国公演が、10月14日仙台から幕を開けました。劇団は11月7日の都城公演まで約3週間、日本を北から南へと巡演します。
主演俳優たち
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程寧 |
郝瑩 |
松岩(団長)《美猴王》主演 |
《扈家荘》主演※ダブルキャスト |
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24人の精鋭劇団員
蘇卓(左、虞姫)焦健琪(右、覇王)《覇王別姫》主演
北京風雷京劇団は年間600回以上という中国一の公演数を誇り、北京の下町に根ざして、70年にわたり庶民に愛されてきた劇団。自ら孫悟空の役で出演する松岩団長をはじめ、実践で鍛え抜かれた14人のレギュラー俳優陣による演技が見どころです。
また、笛や胡弓、打楽器などを担当する7人の楽団員も随行。役者の動きや場面にぴたりと合った音楽や効果音を、本場中国の劇場と同様の臨場感あふれる生演奏で再現します(他に舞台スタッフ3人も随行)。
公演の予定演目は、武芸の達者な娘・扈三娘(こさんじょう)と梁山泊の豪傑たちとの戦いが展開する水滸伝の一節《扈家荘(こかそう)》、敵に包囲され敗北を悟った楚の英雄・項羽の心を慰めるため、虞(ぐ)姫が美しい剣舞を披露する《覇王別姫(はおうべっき)》、まだ三蔵法師の弟子になるずっと前の頃の孫悟空が、竜宮、地獄、天宮で大暴れする《美猴王(びこうおう)》(見どころの詳細は本紙9月15日付4面 田村容子さん執筆「京劇、ここが面白い!」で解説)。
このうち地獄での一幕「閙地府」は日本初公開で、閻魔大王の手先となる奇妙な化け物たちとの戦いは劇団「とっておき」の出し物。
劇団は、中国語の分からない日本の観客にも理解できるよう、アクションを主体に劇を構成し、一部字幕を使用。子どもから大人までみんなで楽しめる工夫をこらしています。
市民と友好を深めるために
全国巡演の企画では、中国の伝統芸術の舞台を楽しむだけでなく、各地で学校公演や、京劇メークの実演、ワークショップ、出演を終えた団員たちとの食事会など、多くの交流の機会を設定。中国伝統文化を体験するだけでなく、日本の市民に劇団員たちと直接交流を深めてもらおうと、各地でチケット普及、宣伝活動が強められています。
福島では9月末時点でチケット普及500枚に迫り、テレビなどでの報道に力を入れています。昼夜2公演を予定している東京公演では、中国帰国者を400人招待し客席を盛り上げ、1300人のホールをいっぱいにしようと奮闘。
兵庫・姫路では目標とした1600枚のチケット普及を達成。愛知では、スタッフ、関係者による直接の語りかけを重視し、700人の目標にじりじりと迫っています。
福井では、京劇の魅力を市民に分かりやすく紹介しながら、「協会ここにあり」と県民に知らせています。
その他の地域でも、京劇への関心を広め、協会会員や実行委員会スタッフの団結を固めるさまざまなイベントを通じて、全国公演成功に向けた奮闘が続いています。