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日中友好新聞

2008年7月25日号1面
いよいよ開幕オリンピック
北京は今――写真と文・庄司博彦

写真
夜のメーンスタジアム「鳥の巣」はライトアップされ、若者のデートスポットに

マナー向上見られる地下鉄

 チベット問題・四川大地震と北京オリンピックを見る世界の目が厳しくなっている。そんな中、市内では8月8日の五輪開催に向けて着々と準備が進められている。
 視界がかすむほどのスモッグ対策の一つとして、市民の足を自動車から地下鉄に向けるため、「オリンピック支線」と呼ばれる地下鉄の路線拡大工事が進んでいる。料金も値下げされ、どこまで乗っても一律2元(約30円)にしたため、地下鉄の利用客は増加している。
 中国の若者たちのマナーの良さには驚かされる。お年寄りを見るとスッと立ち上がり席を譲る。列車待ちも列を乱さず順番に並んでいる。駅にはゴミも落ちていない。
 今回案内してくれた友人の薫永裁さんは「地下鉄路線が拡大すれば、自動車離れが進み、交通渋滞の緩和や大気汚染の解消につながるかもしれない。北京にきれいな空が戻ってくるかもしれない」と期待をこめて語ってくれた。

「鳥の巣」は若者のデートスポットに

 北京五輪会場は、天安門広場から北に約10キロ離れた地域を中心に、競技の50パーセントがこのエリアに集中する。運営にたずさわる施設や選手村もできるため、オリンピックの心臓部となる。
 メーンスタジアムとなる国家体育場は「鳥の巣」の愛称で知られる。いまや北京の観光スポットとして大勢の人が訪れている。
 隣接する所には、国家水泳センターがある。ここは「ウオーターキューブ」と呼ばれ、外観は水泡状の膜で包まれている。ここも人気を集めている。
 夜も更けてくると、ライトアップされた「鳥の巣」は、まるで宝石のように輝き、そのまわりには昼間の観光客とは変わり、若者たちのデートスポットになっていた。
 河北省から北京に来てホテルの食堂で働いているというチャン・イー君は「まだ鳥の巣の中に入ったことはないが、ここは中国が世界に誇る競技場だから、世界新記録が続出すると思う」と、自信をみなぎらせていた。
 市内のあちこちには五輪関連の看板やポスターが貼られている。そしてポスターには観戦マナーや応援の方法が詳しく記載されている。
 オリンピックでは、きっと中国は多くのメダルを獲得することだろう。そして北京市民はオリンピックでメダルの数よりもっと大切なものを学ぶことだろう。
(写真家)

 

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