日中友好新聞
2008年7月5日号1面
今こそ全国民視野に友好運動を
日本中国友好協会第57回大会
枠をこえて広がる地震被災者支援
第57回大会全体会議。長尾光之会長が開会あいさつ
日本中国友好協会は6月7、8の両日、愛知県蒲郡市で第57回大会を開催。全国各地から250人の代議員・評議員、役員が参加し、今年度の運動方針、「大会宣言」と「四川省大地震に対するお見舞い文」を採択、08年度役員を選出し、新たなスタートを切りました。
開会に当たり、大会の参加者はこの1年間に亡くなった役員、会員38人と、四川大地震で犠牲になった多くの人びとに黙祷を捧げました。
長尾光之会長の開会あいさつ、地元愛知県連の石川賢作会長による歓迎あいさつに続き、来賓の中国駐名古屋総領事館の郭宝忠領事、愛知県労働組合総連合の福田秀俊副議長、日本共産党の井上哲士参議院議員があいさつ。郭宝忠領事はあいさつのなかで、四川大地震被災者への協会の支援活動に感謝を述べました。
いま協会が注目集めている
5月の日中首脳会談で「『戦略的互恵関係』の新しい局面を絶えず切り開く」という共同声明が発表され、日中関係への明るい展望が示される一方で、中国製冷凍餃子問題、チベット騒乱事件、オリンピック聖火リレーへの妨害、四川大地震といった重大事件があいつぎ、国民の隣国への関心にどう応えるかがますます大きな課題となっています。
各地で開催されたチベット問題、食の問題などをテーマにした講演会、学習会が盛況で、取り組みが成功していること、そして全国で行われている地震義援金活動が多くの市民の共感を得て広がり、留学生など在日中国人、中国帰国者らとの絆(きずな)を深めていること、憲法9条を守る運動におけるDVD「泥にまみれた靴で」の活用など、いま協会の果たす役割がますます注目を集め、活動飛躍の契機となる状況が生まれていることが各地の報告から明らかになりました。
広がる活動が未来を開く
大会では、今年の重点的な友好交流活動である「沙飛(さひ)写真展」と「北京風雷(ふうらい)京劇団全国巡演」についての討議もさかんに行われました。
抗日戦争期の中国の人びとや日中両国民の交流を人間的な視点で写して感動を呼び、協会の活動の幅を大きく広げた各地の沙飛写真展の経験や、北京風雷京劇団の全国巡演に向けて各地で宣伝や「京劇講座」などに取り組むなかで、「人びとに協会の存在を知らせ、入会を呼びかけやすい」という実感を伴った報告がなされ、参加者に強い印象を与えました。
また、中国人強制連行事件の全面解決を求める運動、日本が旧「満州」支配を進めるなかで虐殺を行なった「平頂山事件」についてのシンポジウムの取り組みなど、日本の中国侵略戦争が残した問題の完全な解決を求める世論づくりの必要性が強調されました。
さらに、「残留孤児」訴訟のたたかいを通じて、多くの帰国者が協会に入会した経験、政府新支援策実施後の帰国者への支援や日常的な交流、日本語教室の充実と経験交流などが提起されました。そして、憲法9条を守る運動をはじめとした、日中友好の活動を通じて平和な未来の日本とアジア、世界を展望する大切さが確認されました。
2カ月で300人増、500人達成へ
協会は今年3月末から2カ月あまりの間に、全国で300人の新しい会員・準会員を迎え、前大会に引き続き、増勢の中で大会を迎えました。福岡県の八幡、大川三潴(みずま)、玄海灘支部、山口県の岩国支部が結成・再建され、空白だった奈良県にも支部準備会が結成されています。
さらに、長い間困難を抱えていた支部が、役員会の集団体制を確立し、今大会までの会員増加目標を達成した経験は多くの参加者を励ましました。組織強化をめぐる討議の中で、「会員を増やす意識を、役員、会員全員のものにすること、外へ打って出ること」「若い世代が協会活動に参加できるような環境づくりと働きかけ」「1億3000万人の日本国民すべてを対象にした幅広い運動を」などの点が強調されました。
大会は、1万本の普及目標を達成したオリジナルカレンダー「中国 悠久の旅」の活用、伊藤名誉会長の論文散文撰集『老牛破車のうた』の普及、引き続き会員・準会員500人増の目標達成に向けて全力をあげ、早期に2万人の協会組織をめざすことを確認しました。
大会初日夜には祝賀会、太極拳交流会が開かれ、2日目の最後に大会宣言、四川大地震被災者へのお見舞い文を採択し、「東京―北京」を合唱。参加者はこれからの奮闘を誓い合いました。