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日中友好新聞

2008年2月5日号1面
オリンピックに向け溢れる活気
春節を迎える中国 根本トモオ

 

写真帰省を急ぐ市民(北京駅切符売り場)

 春節(旧正月)を迎える中国では新しい1年を友人や家族とともに祝い、にぎやかに過ごします。今年8月にいよいよオリンピックを迎える北京は、活気に満ちています。盛り上がる市内の様子や人びとの暮らしなどを北京在住の根本トモオさんに伝えてもらいます。(編集部)

「民族大移動」が始まる

 今年の春節は2月6日から12日まで7日間、日本の正月と異なり6日の大晦日から始まる。春節のほか今年はオリンピックの年であり、北京の庶民は日本でいう「盆と正月が一緒に来たようなにぎやかさ」。
 春節を迎える準備の最初は「民族大移動」から始まる。北京駅、北京西駅から故郷に帰るための超特急列車(D列車)の乗車券は1月12日から発売開始だが、その日のうちに完売したとのこと。販売は出発日の4日前。北京の大学で学ぶ地方出身の学生の多くが1月20日に期末試験を終え、故郷に帰りはじめた。そのため街のキップ販売所前では長い列が連日できた。ちなみに中国人の感覚では500キロ以上離れていると「遠い」。それ以内は「近い」。

買い出しでごった返す市内

 一方、北京で春節を迎える庶民が最初に準備することといえば、新年に着る衣服を買うこと。コート、上着はもとより下着まで一新して新年を迎えようという習慣だ。衣料販売業者にとっては、この時期の売り上げ成績が1年の成否を決する大事な時期。地下鉄2号線・車公庄駅近くの官園市場は、古くから北京の庶民が利用している総合市場で、女性向け服装店を経営している娟さんは「春節前の土曜、日曜はお客がどっとくるので知り合いの人に手伝ってもらっている。昨年より売り上げをあげるためがんばっています」と意気込んでいた。
 衣服の次の準備は春節用の食料の買出し。その次に部屋の大掃除と飾りつけ、胡同の入り口や家の扉などに灯などをつける。日本の〈松飾り〉のようなものだ。

餃子は交子に由来する

 6日大晦日の晩の8時から日本の〈紅白歌合戦〉と同じような〈歌と演芸大会〉(中国名=春節晩会)がテレビで生放映される。
 除夜から新年にかけて(午後11時から午前1時まで)中国全国の家庭で食べられるのが〈水餃子〉。餃子(ジャオズ)は同じ発音の交子(ジャオズ)からきている。意味は旧年から新年に交差する〈子の刻〉真夜中の12時をさす。
 元旦(初一)には親戚や親しい人たちと一緒に食事し、あいさつをする。

高まるカウントダウンの響き

 北京オリンピックは2008年8月8日(金)午後8時から開催される。春節の7日元旦には、天安門広場で〈北京オリンピック・大イベント〉が行なわれる予定だ。
 北京市とオリンピック組織委員会の呼びかけで、次々と市民参加のイベントが計画されるなど、オリンピックに対する市民の関心は最高潮に達する。まるで「もうオリンピックが成功したような」勢いがある。
 開会式の行なわれる〈鳥の巣〉国家スタジアムの内装もほぼ完成し、春節後に一般公開されると聞く。地下鉄10号線、首都空港軌道線、オリンピック支線が6月から運行。
 オリンピック支線の森林公園駅ホーム天井が〈鳥の巣〉を模倣してつくられたり、聖火リレー者の服装デザインが決定するなど準備が着々と進められている。開催まで7カ月足らず。今年に入り、カウントダウンの音が耳元でより大きく聞こえるようになった。
  (日本中国考古学会会員、北京在住)

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