日中友好協会(日本中国友好協会)

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公式見解

日中国交回復30周年にあたって

 30年前の1972年に日中国交回復が実現してから今日まで、両国の交流や経済関係の発展は、目覚しいものがあります。協会は平和五原則に基づく両国関係の発展のために引き続き努力するものです。
 辛亥革命以来の中華民国に代わって、1949年に中華人民共和国が成立したとき、アメリカに追随する日本政府はこれを承認せず、以来、台湾に逃れた旧政権を中国の政府と見なす虚構にしがみついてきました。協会など両国民の世論と運動が日中国交回復を実現したことは、自決権の尊重という現代の国家関係の根本原則の反する企てが結局は失敗することを証明したものです。
国交正常化のときの両国政府の「共同声明」は、日本が過去の戦争で中国国民に重大な損害を与えた「責任を痛感し、深く反省する」と述べています。
 しかし現在、小泉首相らの靖国神社参拝や教科書問題など、侵略戦争の事実を否定し美化する潮流が強まっており、さらに小泉内閣は、「周辺事態法」の成立、「テロ対策法」による自衛隊艦船のインド洋派遣、有事立法と、平和憲法を踏みにじって日本を「戦争しない国」から、アメリカの戦争に先制攻撃を含めて参加する「戦争をする国」に変える動きをますます強めています。これらは侵略戦争の反省という日本の戦後の出発点に反し、日中国交回復の精神にもとるものであり、協会はこれに強く反対し、平和憲法を守り、日本がアジアと世界に信頼される国になるように奮闘するものです。
最近ブッシュ米大統領は、自決権承認の原則を踏みにじってイラクに対する戦争を準備し、小泉内閣はこれに協力的態度を示し、戦争の危険が現実化しています。協会は、この戦争計画をやめよ、と訴えます。
 30年前の「日中共同声明」は、「日本政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」と述べ、「一つの中国」を明らかにし、同時に「二つの中国」、「一つの中国、一つの台湾」、「台湾帰属未定論」などすべての謬論を明確に退けました。今日、「一つの中国」の立場を堅持し、台湾問題での外部からの干渉、とりわけ武力干渉に反対することは、米「台湾関係法」や、日本の「周辺事態法」、「有事立法」との関連で、あらたな重要性をもっています。ブッシュ政権が中国を核兵器使用対象国の一つにあげ、日本の政府首脳が非核三原則の見直しに言及していることの危険も指摘されねばなりません。
 国交回復30年にあたり、私たちは改めて「日中共同声明」の立場に立って、日中関係発展に努力するとともに、平和憲法を擁護し、日本がアジア、世界と平和な協力関係を発展させる国になるよう奮闘する決意を明らかにするものです。

2002年9月25日
日本中国友好協会

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