公式見解
集団的自衛権行使容認の閣議決定に抗議する
日本中国友好協会は7月1日、集団的自衛権行使容認に向けた安倍政権の閣議決定に対し、抗議声明を発表しました。全文は下記の通りです。
安倍内閣は本日、集団的自衛権の行使を認めるため、憲法解釈を変更することを閣議決定した。
アジア諸国民に未曾有の惨禍を与え、日本国民にも多大な犠牲を強いた侵略戦争の反省から、二度と再び戦争の過ちは繰り返さないと誓った平和憲法のもとで、歴代内閣は「集団的自衛権は、憲法の容認する自衛権の範囲を超えるもので認められない」との立場をとり続けてきた。
安倍内閣は集団的自衛権の行使容認によって、平和国家の立場をかなぐり捨て、日本が攻撃されなくても自衛隊が海外での戦争に参加する道を強引に開こうとしている。これは、戦争を体験した多くの国民が共有してきた「戦争だけは繰り返してはならない」との願いを裏切るものであり、世界に先駆けて戦争を放棄した日本を、再び「戦争する国」へと変える重大な転換である。
靖国神社参拝に見られるように、「大東亜戦争聖戦論」の立場に立つ安倍首相の歴史認識は、国際社会が共有する歴史認識と真っ向から対立している。多くの国民は、この歴史に逆行する安倍首相の歴史認識を支持しておらず、誤った歴史認識のもとに日本を再び「戦争する国」に変えようとする安倍首相の危険な暴走に強い危惧を抱いている。
この国民世論を無視して、戦後の日本が守り続けてきた憲法9条を、一内閣の恣意的な解釈によって形骸化させることは、最高規範である憲法の蹂躙であり、絶対に許されることではない。
安倍内閣は、中国や北朝鮮の脅威をあおり立てながら、集団的自衛権の必要性を強調している。政府がなすべきことは、脅威をつくり出すことではなく、脅威を取り除き、地域の平和と安定をもたらす外交努力である。
日本中国友好協会は、靖国神社参拝で中国などとの対話の道を自ら閉ざし、尖閣諸島周辺で一触即発の緊張状態を続けてきた安倍内閣の外交姿勢を厳しく批判するとともに、一内閣による憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を容認し、日本を再び「戦争する国」に変えてしまう暴挙に対して、満身の怒りを込めて抗議する。
私たち日本中国友好協会は、戦争の過ちを繰り返さないとの誓いを新たにし、平和を願う多くの国民とともに、引き続き、集団的自衛権の行使を許さないために奮闘する。
2014年7月1日
日本中国友好協会
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