公式見解
[声明]日中平和友好条約締結35周年に当たって
8月12日は1978年に日中平和友好条約が締結されてから35年になります。
条約の締結により両国の戦争状態に終止符が打たれ、新たに平和五原則にもとづき恒久的な平和友好関係を発展させること、また経済、文化、国民交流をいっそう発展させること等を条約で取り決めたのです。
その後、両国の間にはさまざまな摩擦や困難がありましたが、両国と国民の努力により日中関係は着実に発展し、人的、経済的交流は締結当時とは比較にならない規模に達しています。両国関係はいまや切っても切れない関係にあることは誰の目にも明らかです。
しかし、昨年尖閣諸島の領有権をめぐって両国間の対立が起こってから、国交回復以来最悪ともいえる緊張状態が続いており国民感情はますます悪化し、さまざまな分野で影響が出ています。
領土をめぐる紛争が続くなかで、著名10氏による「平和的な話し合いで尖閣問題の解決を」と題するアピールが出されました。これは35年前の日中平和友好条約の精神に立ち返り、困難な局面を打開するための重要な提起であり、この支持運動を全国に広げることは世論と政府を動かし、両国の平和友好関係を確立するための重要な取り組みです。
いま、日本では中国はじめ近隣各国との関係をさらに悪化させかねないさまざまな動きが続いています。オスプレイの配備にみられるような日米軍事同盟の強化は、日中関係や東アジアの緊張を激化させるだけです。また侵略戦争を否定するさまざまな発言などは国内だけでなく、日本の侵略戦争の被害を受けた国々からも一斉に警戒の目が向けられています。こうした歴史を逆戻りさせ、憲法を改悪し日本を再び戦争できる国にしようとする動きを許してはなりません。
日本中国友好協会は、日中平和友好条約で確認された「両国間の恒久的な平和友好関係を発展させる」という精神にもとづき、平和憲法を守り、国防軍創設などの危険な動きを阻止し、日本と中国、そして、アジアと世界の平和に寄与することができるよう、運動を進めていくことを表明します。
2013年8月12日
日本中国友好協会
(会長 長尾光之)
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