公式見解
日中国交回復40周年に当たって
日本と中国の国交が1972年9月に回復され40年が経過しました。
この間、両国の交流は、政治、経済、文化、学術等あらゆる分野で大規模かつ広範に行われるようになり、関係する人も膨大な数に上っています。観光で日本を訪問する中国人も急増し、国交回復当時には想像もつかなかったほどの広がりをみせています。
1949年に中華人民共和国が誕生しましたが、対米追随の日本政府はこれを承認せず、台湾の政権を中国の政府とみなし、「中国敵視政策」をとり続けました。その中で、日中友好協会をはじめとする広範な国民が、国交回復のために3000万人署名運動を展開し、国際世論も高まり、やがて大きな国民運動となって、政府を国交回復へと向かわせたのでした。
国交回復によって不正常な状態が終結し、両国関係の歴史に新たな1頁を開くことになりました。締結された共同声明では「過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについての責任を痛感し、深く反省する」ことが述べられ、「相互に善隣友好関係を発展させることは、両国国民の利益に合致するところであり、また、アジアにおける緊張緩和と世界の平和に貢献する」ともうたっています。
最近、尖閣諸島の領有権等さまざまな問題をめぐって、双方の国民感情が決して良くない状況にあります。両国の対立をあおり、突出した言動を行う勢力が挑発し合い、日中友好の大きな障害になっています。
いまこそ日中共同声明と国交回復の原点に帰って、話し合いと冷静さで解決に当たるよう両国政府と国民に訴えます。
隣国同士では時に問題が起こることもありますが、歴史の大きな趨勢は友好と相互の発展にあることは間違いなく、8割の国民が両国関係は大事だと考えていることにも現れています。
いま日本経済は停滞状況を打ち破れず、他方、中国の経済発展は目覚ましく、GDP世界第2位に躍進しています。日本から中国に進出する企業も今では2万社を数え、日中間の貿易額も隣国同士であることもあり、それぞれが最大の相手国の一つとなっています。今後の中国経済の発展が日本を支えるともいえ、特に経済面では日中両国は切っても切れない関係になっています。
2008年の四川※(※=さんずいに文)川大地震、そして東日本大震災という未曾有の大災害に直面し、隣国同士で協力し合った経験、絆は国民の記憶に新しく残っています。
私たちはこれからも日中共同声明の立場を尊重し、再び日本が戦争をすることのないよう、日中両国民の相互理解と日中友好を深め、アジアと世界の平和と発展に寄与できるよう全力で努力することを表明するものです。
2012年9月29日
日本中国友好協会
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