日中友好協会(日本中国友好協会)

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公式見解

ソマリア沖海賊対策についての要請文

内閣総理大臣 麻 生 太 郎 様
防衛大臣   浜 田 靖 一 様

ソマリア沖海賊対策についての要請文

 

 日本政府が、ソマリア沖海賊対策に海上自衛隊の派遣を検討していると報じられています。日本中国友好協会は、「自衛隊海外派兵」の恒久化と、日本国憲法が禁じている「集団的自衛権」の既成事実化をはかるものとして、この派遣に強い危惧を抱かざるをえません。
 大量破壊兵器の存在を理由として米ブッシュ政権が強行したイラク戦争を、日本政府は自衛隊の派遣で支えましたが、大量破壊兵器の存在が否定された今、米国民の多くがブッシュ政権を厳しく非難し、イラクからの早期の撤退を公約に掲げたオバマ新政権が発足するなど、イラク戦争が過ちであったことは明白になっています。
 このイラク戦争を自衛隊派遣で支えた日本政府は、その過ちに言及することなく、海賊の武装をことさらに強調しての海賊対策を口実に、再び自衛隊の派遣を強行しようとしています。マラッカ海峡での海賊対策に、周辺諸国との協力を通じて実績を残している海上保安庁の役割と能力を棚に上げ、ひたすらに自衛隊の派遣を推し進めようとする日本政府の姿勢は、容認できるものではありません。
 日本中国友好協会は、日本政府が、軍事行動の既成事実化で取り返しのつかない過ちを犯すことがないように、自衛隊派遣ではなく、ソマリア周辺諸国との海上保安庁を中心とした海上警備の協力をすすめ、また海賊問題の根底にあると言われるソマリアの内戦による混乱と貧困の解決のための経済援助をはじめとした支援を、国際社会との連携のもとに強めることを要請します。

 

 2009年1月26日

日 本 中 国 友 好 協 会
(会 長  長 尾 光 之)
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