日中友好協会(日本中国友好協会)

日本中国友好協会
〒101-0065
東京都千代田区西神田2-4-1 東方学会ビル3F
Tel:03(3234)4700
Fax:03(3234)4703
HOME > 公式見解 > 声明  中国「残留孤児訴訟」 東京地裁不当判決に抗議

公式見解

声明 東京地裁不当判決に抗議
―中国「残留孤児」問題全面解決に全力を―

(1) 1月30日、東京地方裁判所民事28部(加藤謙一裁判長)は、中国「残留孤児」国家賠償訴訟について、原告らの請求を全面的に棄却する判決を言い渡しました。
 判決は、「早期帰国義務」「自立支援義務」そのものを認めず、原告らの「日本人として、日本の地で、人間らしく生きる権利を得たい」という人間の尊厳の回復を求める願いを正面から退けました。私たちは強い抗議の意思を表明します。

(2) 判決はその理由として、「満蒙開拓団」などの国策と「残留」孤児発生の因果関係はないと断じ、その主たる原因が「ソ連の侵攻などにあった」としています。また、敗戦後の混乱時に国や軍が民間人を保護しなかったという問題は、国の植民地政策や戦争行為は高度の政治的判断に基づくものであって、裁判所の審査対象でないと司法判断を回避しています。さらに、日中国交回復後の対応の遅れに対しては、「時期すでに遅し」とし、さらに「日本語のできない孤児の帰国による混乱」などをあげ、国の「早期帰国義務」の法的根拠はなかったとしています。そして、原告の被害は「国民全体が受忍すべき戦争被害」であるとし、「特殊性がある」とは判断できないとしています。
 原告団・弁護団は、この判決を不服として、直ちに東京高等裁判所への控訴を表明しました。

(3) 東京地裁判決は、12月1日の「神戸地裁判決」と全く対照的な非情で冷酷な判決です。原告団・弁護団は「神戸地裁判決」を拠り所にして、全国各地で争われている訴訟勝利に全力をあげるとの態度を明らかにしています。

(4) 原告団・弁護団は、司法判断とあわせ、現在の生活保護制度とは別の「新給付制度」の確立など、立法の場での「中国『残留孤児』問題の全面解決」にも全力をあげるとしています。すでに、全ての政党がこの問題を重視し動き始めています。安倍首相も、厚生労働大臣に対し「新たな支援策の検討」を指示しています。

(5) 協会は、早くから全国1高裁・14地裁で争われている全ての訴訟支援に参加してきました。訴訟勝利、立法化など原告団・弁護団と強く連帯し、中国「残留孤児」問題の全面的解決のために全力をあげることを明らかにするものです。

2007年1月30日
日本中国友好協会



[中国「残留孤児」訴訟東京地裁判決に関する「日中友好新聞」記事]

[一覧に戻る]