公式見解
アメリカの軍事攻撃開始について
日本中国友好協会 理事長 長尾光之
ブッシュ米大統領は10月7日、米英軍が、先のアメリカでの同時多発テロの首謀者とみなしているビン・ラディン氏がいるとされるアフガニスタンに対する軍事攻撃を開始したことを発表した。攻撃は依然続けられており、民間人の死傷者が出たことも報道されている。
日本中国友好協会は9月15日伊藤敬一会長の談話で、今回の多くの犠牲者を生んだテロ行為を「どのような理由があろうと断じて許されるものではない」ときびしく糾弾、国連と「テロ糾弾」の世界的世論の力に依拠した「法と理性による解決」を呼びかけた。談話は同時に、テロ行為を憎み反対する同じ立場から、「憎悪の悪循環」をよぶ軍事力による報復の動きにたいしては、「強い懸念と憂慮」を表明した。
今回の米英の軍事行動は、国連での犯人の証拠の開示と追及、およびその合意に基づく行動など、適切な解決の道を尽くさないまま、強行された。ブッシュ大統領は八日国連安保理に対して、「他の組織や国家に対しても更なる行動をとるかもしれない」と通告、戦火の拡大も懸念される事態になっている。
創立以来、不再戦・平和擁護の運動を続けてきた日中友好協会は、戦争に反対し、平和を愛する立場から、広範な国民と国際世論と手を携えて、今回のテロ行為を憎み、糾弾し、法的解決を求めるとともに、報復戦争にも反対する。報復は法的手段とはまったく対立するものであり、それは、憎悪の悪循環しか生みださない。
いま、日本政府与党は、「テロ対策支援」の名のもとに、憲法の平和原則を一気に突き破って、自衛隊を海外のどこにでも派兵し、アメリカの報復戦争に参加させるための新法を大急ぎで成立させようとしている。また、自衛隊に米軍基地などを警備させるための自衛隊法改悪も成立させようとしている。
日中友好協会は、こうした「テロ対策」に名を借りた、自衛隊の海外進出と違憲の新立法に強く反対するものである。
2001年10月9日
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