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HOME 私と日本 > 2009年2月25日号

私と日本〈59〉

陳 崢さん写真

太極拳養生道協会会長
陳 崢さん

 

日本の太極拳は日中両国の武術の総合体

 「太極拳を学ぶきっかけは自分の意思ではなく大学の必修科目だったから」と意外な答えが返ってきました。
 幼少のころから武術を学び、1976年北京体育大学武術学部に入学。査拳で有名な張文広先生に師事しました。
 大学院に進学後、太極拳の起源を専攻。最も影響を受けたのは唐豪先生(近代体育史家)と顧留馨先生(武術理論家)の論文でした。太極拳の歴史を調べていくうちに、その起源は清代初期の陳王廷ではなく、明代初期に十三勢という非常に柔軟な太極拳がすでに存在したことを突き止めました。
 85年に来日、90年まで日本体育大学大学院研究生として太極拳の動作学を研究しました。このころ、48式の編纂者の1人である李天驥先生から、表面よりも中身を重視して研究したほうが良いと助言を受けます。悩んだ末、太極拳の発展は原理原則を正確に把握し、練習するのが大事だと悟るようになりました。
 その後93年に再来日し、太極拳養生道協会、07年には未来太極拳を考える会を設立。「日本人は太極拳をよく理解しています。日本文化は他文化の良いところをうまく吸収するのが上手です。日本の太極拳は日中両国の武術の総合体になるでしょう」と語ります。
 太極拳の未来については「太極拳の前身である十三勢を保護し、その原点の套路が分かれば、新しい太極拳をつくることができます」と、探究心は尽きません。
 1957年、黒竜江省ハルビン生まれ。

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