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日中友好新聞

2012年11月5日号1面
特別展 中国王朝の至宝
日中国交正常化40周年記念
空前の貴重文物展

 日中国交正常化40周年を記念した特別展「中国 王朝の至宝」が12月24日まで、東京・上野の東京国立博物館で開催されています。「夏」から南宋までの時代を6つの章に分けて地域を代表する文物168点を展示し、各王朝や地域の特色を対比しながら展示しています。(編集部)

 

展示物の6割が国宝級

 

写真1 日本中国友好協会
日本初公開で注目を集めている
一級文物の「阿育王塔」

 特別展は紀元前2000年の「夏」から13世紀の南宋までの歴代王朝の文物として仮面や青銅器、陶磁器、装飾品、仏像、仏塔など168点を展示、そのうち1級文物が6割という空前の貴重文物展。
 今回の特別展開催に当たって、東京国立博物館学芸企画部長の松本伸之さんは「記念すべき国交回復40周年に、中国側の配慮で予定通り実現しました。多様多元的に展開してきた『夏』・殷から南宋までの王朝や、その文化などに焦点を当て、それぞれの地域の特質が凝縮された代表的な文物を対比しながら展示するという新たな手法によって、中国文化の核心に迫ろうとするものです」と語りました。

 

日本初公開の「阿育王塔」

 

写真2 前12〜10世紀四川省・成都金沙遺址博物館

[一級文物]金製仮面 殷〜西周時代・前12〜10世紀四川省・成都金沙遺址博物館蔵

 特別展のなかでも、2008年に南京市で発掘された北宋王朝時の銀・水晶・ガラス・瑪瑙・鍍金でできた巨大な仏塔の「阿育王塔」(高さ1.2m)は、多くの観客の注目を集めていました。
 これは、古代インドのアショカ王(阿育王)が8万4,000の仏塔を造立したという故事にちなんだもの。中国ではその出来映えから塔王(仏塔の王様)と言われ、日本初公開です。
 また、成都市から発掘された前12〜10世紀の古代蜀文化の「金製仮面」(幅4.9cm)、遼寧省出土の10〜11世紀の遼王朝の貴族の墓から出た造形の「銀製仮面」(縦18cm横20cm)も必見です。

 

見逃せない歴代王朝の優品

 

 この3点以外では、湖北省から出土した、前4世紀戦国時代の虎の上に鳳凰が立ち、間に鼓が掛けられた奇抜なデザインの「虎座鳳凰架鼓」(高さ約1.5m)と、デザイン感覚抜群の造形の「羽人」(高さ65.6cm)。前漢時代の「女性俑」(高さ約63cm)と、始皇帝陵出土の「跪射俑」(高さ1.21m)、3世紀三国(呉)の青磁「仙人仏像文盤口壺」、484年に造られた北魏時代の砂岩製の柱の台座「天人龍虎蓮華文柱座」(一辺約32cm)、8世紀唐時代の大理石製の「金剛神坐像」(高さ75cm)と、石灰岩製の「仏坐像」(高さ1.22m)、青銅・螺鈿製の鏡「花鳥文鏡」(径24.8cm)など、いずれも歴代王朝の見逃すことのできない優品1級文物の展覧会となっています。

 

今こそ中国文物の見学を

 

 尖閣諸島をめぐり日中両国で「領有権」争いが激化していますが、日中両国には争いでなく長い間の豊かな交流の歴史があり、日本の文化は中国の優れた文物を導入し豊かになった歴史があります。このような歴史をいま一度考え、友好交流の豊かさをも考える絶好の文物展を、ぜひご覧になって下さい。(佐・押)

 

 〔開催概要〕
●開催=12月24日(月・休)まで。ところ=東京・上野の東京国立博物館平成館。午前9時30分〜午後5時(入館は閉館の30分前まで)月曜休館
●観覧料=当日一般1,500円、大学生1,200円、高校生700円、中学生以下無料
●問い合わせ=ハローダイヤル03-5777-8600
●主催=東京国立博物館、中国文物交流中心、NHK、NHKプロモーション、毎日新聞社、朝日新聞社
●その他の開催地=神戸市立博物館(2013年2月2日〜4月7日)、名古屋市博物館(4月24日〜6月23日)、九州国立博物館(7月9日〜9月16日)

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