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日中友好新聞

2010年2月15日号1面
五輪に続く世界的行事
2010年上海国際博覧会

 中国の今年の国家的イベント「上海万博」が5月1日に開催します。「より良い都市、より良い生活」をメーンテーマに会期は10月31日まで。世界の万博史上最大の規模が見込まれています。孫国震さん(上海出身・中国語講師)にその見どころなどをまとめてもらいました。

写真

万博会場のAゾーン
逆三角形の「中国館」、円形の「演芸館」、左端に「日本館」、右手前が水上バス乗り場

 

面積は愛知万博の4倍

 

写真2
盧浦大橋の展示館にある会場全体の平面図

 黄浦江。南浦大橋と盧浦大橋。その両橋にはさまれた工業地区だった南北両岸辺りが、上海国際博覧会(上海万博)の会場に生まれ変わった。5月1日の開幕まで、ついに100日を切った。
 浦東国際空港からリムジンバスに乗って約40分、盧浦大橋を渡ると右の車窓には、両岸にそびえ立つパビリオンの数々が映る。
 愛知万博の4倍近くも広い上海万博は、面積5.28平方キロ。メーン会場は、浦東エリア(3.93平方キロ)にある。盧浦大橋から東側では、南北に伸びる「万博軸(万博通り)」を境目に、西側のBゾーンと東側のAゾーンに分かれる。
 Bゾーンには、「テーマ館」、「万博センター」、「万博公園」、円形の「演芸センター」など、東南アジア、オセアニアと国際機関があり、Aゾーンには、東南アジアを除くアジア各国のパビリオンがある。「中国館」は、このAゾーンの「万博軸」の傍らにそびえ立ち、「日本館」は東端で黄浦江に臨む。
 盧浦大橋より西へ向かうと、欧米やアフリカのパビリオンが林立するCゾーンがある。去年の8月ころは、木をモチーフにした抽象的な画面に砂漠、動物や建物など描かれているアフリカ館だけがぽつんと建っていたが、いまでは、独特で華やかな形を呈する欧州各国のさまざまなパビリオンに遮られ半分ぐらい見えるだけになっている。愛知万博で同一パビリオンに共同出展した北欧5カ国は、それぞれ独自のパビリオンを出展している。

 

そびえ立つ165メートルの「和諧塔」

 

写真3
上海万博マスコット
「海宝(ハイバオ)」

 浦西エリア(1.35平方キロ)は、西側のDゾーンと東側のEゾーンに分かれる。企業館が立ち並ぶこの両ゾーンには、外壁に大面積のLEDライトが輝く石油館、マジックボックスが体験できる国家電網館、アルミ板に覆われた上汽GM自動車館、万博で初めての航空館と保険館、藁板による七つの円筒が麦藁のような形をして立ち並んだ麦色の万科館、敷地面積が最大の船舶館、15社も共同出展する民業企業館などが見られる。
 Dゾーンは、ベストシティ実践エリアで、2割ぐらいは、旧工場を再利用して改装した建屋が使われている。中央エリアでは、旧工場を改修して造られた四つのパビリオンで「住みやすい家」「持続的発展が可能な都市化」「歴史遺産の保護と利用」のシリーズが見られる。そびえ立つ「万博和諧塔」は、旧発電用煙突を利用した展望台で、高さ165メートルもある。旧発電用煙突は会場内で最も高い展望台へと生まれ変わったのである。

 

7000万人の入場見込む

 

写真4
上海浦東空港の宣伝看板

 上海万博に出展する国は、現在時点で192カ国、国際機関も50にのぼり、すでに最初の目標の200カ国(国際機関も含む)をはるかに超えている。うち、中国と国交のない国が21カ国含まれるという。中国国内からも、31の省、自治区、直轄市が出展し、香港・マカオも加わり、「台湾館」は「中国館」の南側にある。
 幅1170メートルの黄浦江を行き来する手段は、2.67キロの空間をシャトルのように往復する地下鉄(13号線)専用のトンネルが作られ、水上バスは、水面を往復する。
 渋滞を避けるため、来場はマイカーより地下鉄やバスの利用を呼びかけている。入場口は陸上8カ所(うち、浦東5カ所) 、水上4カ所、地下鉄1カ所に用意されている。
 昨年12月末現在、テーマ館、万博センター、中国館など主要施設は、すでに完工し、自己建設の外国のパビリオンのほとんどは、すでに内装や展示作業に着手している。
 会場には飲料ポットの持ち込みが禁止されるため、飲料水の飲み水スポットが100メートルおきに100カ所設置され、その蛇口が2000個も用意されるという。
 入場券がすでに1800万枚売れているという現状からみて、目標7000万人の入場者の確保は、そんなに難しくないと言えよう。

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