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日中友好新聞

2008年11月5日号1面
魅力あふれる舞台が大絶賛
北京風雷京劇団 東京へ

 10月12日に来日した北京風雷京劇団は、仙台、福島、群馬に続き、20日に東京で公演を行いました。協会が全組織をあげて取り組んでいる全国公演は、魅力あふれる舞台が各地で大好評。中国伝統文化への関心や、中国への親近感を大きく広げています。(編集部・押見真帆、佐藤勝)

死亡・失踪(しっそう)など事件が多発

 

写真
松岩団長扮する孫悟空が大暴れ  「美猴王」の一場面

 20日の東京昼公演の時間が近づくと、舞台裏ではリハーサルを終え、食事をしてリラックスしていた団員たちが化粧台の前でメーキャップを開始。それぞれの配役の顔を仕上げ、衣装を身にまとい、舞台袖に向かう一連の準備のなか、俳優たちが役への集中を深めていく緊張感が漂います。

 

「好!」の掛け声、拍手喝さい

 

 上演に先立ち、自身も京劇俳優で、今回コーディネーターとして全国公演に随行している殷秋瑞さんが京劇の成り立ちや楽しみ方を分かりやすく解説。
 間をおかずに「扈家荘(こかそう)」の演目へ。「水滸伝」の梁山泊の英雄と戦う場面で、鮮やかな青い衣装に身を包んだ扈三娘(こさんじょう)が華麗で切れのある立ち回りを披露。強くて美しい女性主役のしなやかな動きは、ほぼ満席の大観衆の目を一点に引きつけました。
 続く「覇王別姫(はおうべっき)」では、敵に包囲され、故郷も攻め落とされた項羽の苦悩や、別れを前に、愛する夫の心を慰めるために剣舞を披露する虞姫の美しさがはかなく痛切。見る者の心を揺さぶります。
 孫悟空が竜宮、地獄、天宮で大活躍する「美猴王(こうおう)」は、休憩をはさんで1時間近く繰り広げられる豪華な演目。
 松岩団長扮する孫悟空は、せりふのなかに時おり日本語をおりまぜて笑いを巻き起こし、観客に親近感を抱かせます。
 地獄の場面では、寿命のノートを書き換えられた孫悟空が「地獄をひっくりかえしてやる」と大暴れし、ノートを引きちぎるさまが痛快。
 猿の動きや表情を生き生きと滑稽に表現した孫悟空の動き、巧妙に動作と連動した音楽、個性豊かで衣装も鮮やかな妖怪や神将たちとの立ち回り、槍、剣などを使った見事なアクロバットに、客席から歓声や拍手が絶えません。俳優たちが見栄をきる度に「好!」(いいぞ!)と大きな掛け声が飛び出し、舞台と客席は一体となって白熱しました。

 

観客、劇団、スタッフ――皆が「嬉しい」の声

 

 東京公演は、昼夜合わせて、2147人が来場。この企画を後援する中国大使館から張愛平公使参事官、何静一等書記官ら5人も来場し、観劇を楽しみました。
 観客からは「京劇は初めて。来て良かった。感激した」「衣装がとてもきれい」「飛んだり跳ねたり楽しかった」「字幕や解説があってとても分かりやすかった」「中国にいるみたい。懐かしい」(帰国者)など、絶賛の声。松岩団長ら主演俳優によるサインセールには大きな人だかりができました。
 会場をあとにする多くの観客が笑顔で感想を語りあう姿に、協会東京都連を中心とする約100人の実行委員、要員らは公演を成功させた喜びをかみしめていました。
 「帰国者と一緒に用意した弁当が団員に喜ばれて良かった」(北中一永さん・新宿支部)、「チケット普及に苦労したし、京劇の知名度をどう上げるかも課題だったが、たくさんの観客は本当に嬉しかった」(田渕祐子さん・品川支部)などの声も。
 東京までの巡演を終えて、松岩団長はこう語りました。
 「今回、団員の半分近くが20代で初めての来日だが、みな優秀で、素晴らしい演技をしている。私たちが何より嬉しいのは、仙台、福島、群馬、東京のどこでも、観客の反応が良かったこと。協会の皆さんの尽力に心から感謝したい。この東京公演で満場の拍手をいただいた瞬間、九州まで続くこの全国公演と草の根の中日文化交流は、必ず成功すると確信した」

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