日中友好協会(日本中国友好協会)

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公式見解

大会決議
「日本の侵略戦争美化の教科書検定合格に抗議し、教育現場に持ち込ませない運動をたかめる決議」
(2001年5月20日、日本中国友好協会第50回全国大会)

 4月3日文部科学省は「あたらしい歴史教科書をつくる会」の歴史・公民教科書を、部分的に修正を加えたうえで検定合格させました。
 その内容は、日本の侵略戦争を「大東亜戦争」と呼び、「戦争の目的は、アジアを欧米の支配から解放し、『大東亜共栄圏』を建設することであると宣言した」「日本軍の南方進出は、アジア諸国が独立を早めるきっかけともなった」など、侵略戦争を美化、植民地支配を合理化しています。また、「従軍慰安婦」の記述はなく、南京大虐殺についても「さまざまな見解があり、今日でも論争が続いている」と述べています。さらに、神話を復活させ、戦前の教育勅語を評価しています。
 この検定合格については、中国・韓国・マレーシア・べトナムなどのアジア諸国から強い抗議の声が起こっています。中国外交部は日本政府にたいし「侵略戦争の性質をあいまいにし、日本軍国主義がアジアの人民にもたらした災難をまったく反省しないばかりか、日本軍が犯した残虐行為を美化している」と「強い憤慨と不満」の意を表明しました。
 この教科書にたいしては、大江健三郎氏ら17人が「加害の記述を大幅に後退させている」等の反対する声明を出しました。山住正己氏ら教育関係者はこの教科書に「憂慮」を表明、この教科書を学校に持ち込ませず、よい教科書を採択させようと呼びかけています。教職員組合やさまざまな民主団体も抗議の意志を表明しています。
 こうしたなかで、韓国につづき、中国も5月16日、8項目の訂正要求を行い、日本政府に「歴史に責任を負う態度で誤りを正す」よう求めています。
 その一方で各地で保守系の議員らが学校、教員、父母の意向を無視して「つくる会」の教科書を採択させようとする動きもあるなかで、この教科書を教育の現場に持ち込むことを許すわけにはいきません。日中友好協会は「平和のための戦争展」などと結び付けて、この教科書の「採択許さず」「教育現場に持ち込ませるな」という運動を格段にたかめて行くことを固く誓います。

2001年5月20日
日本中国友好協会 第50回大会


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