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大暴れ孫悟空・上巻

大暴れ孫悟空・上巻

43分
1961年・上海美術映画製作所
監督:万籟鳴、唐澄
脚本:李克弱、万籟鳴
(声優)
孫悟空:邱岳峰
東海竜王:卒克
玉皇大帝:富潤生

 中国アニメの最高作とも言われる作品の上編。三蔵法師に出会う前の孫悟空が、天界で大暴れする京劇仕立てのアニメーション。

 

[あらすじ]

 中国アニメーションの創始者・万籟鳴が監督してその仕事の総仕上げのような長編・孫悟空アニメーション。キャラクター作りは、有名な漫画家・張光宇が担当している。
 
 岩山から生まれて500年たつ猿の大王。花果山で猿たちに武術の稽古をつけているが刀も槍もすぐ折れて使いものにならない。文句をいうと長老の猿が「大王、似合いの武器が海底の竜宮にあります」といった。
 さっそく海にもぐって竜宮の竜王に会った。竜王の出してきた3,600斤の大刀も、7,200斤の大槍もへなへな。「もっと重いのはないか」と聞けば竜王、それならばと深海の果てへ案内する。そこには、巨大な柱が立っていた。これが3万6,000斤の如意棒だ。猿大王が引き抜いて振りまわせば海底は大揺れ。大小伸縮自在の得物にこれは気に入ったと地上に持ち帰った。
 竜王は、天界の玉帝に、「猿に宝物を奪われた」と訴え出た。玉帝はこらしめようとするが天界の役人にして手なずければいかがかという進言を聞き入れた。天上に招かれた猿大王は天馬1,000頭の馬係りになった。つながれた天馬たちを解き放ったので天馬は大喜び。上役は怒った。猿大王が花果山に戻ると天界から軍勢が攻めてきて―。
 
 玉帝も天界の役人も猿を見下している。それへの抵抗という描写となって孫悟空とまだいわれなかったころの猿大王が愉快に自由に動く。全体に赤色を基調にした色彩が鮮やか。京劇をアニメ化したようなタッチで上海京劇院楽団の音楽がわくわくさせる。上海アニメーション制作所1961年作品。1962年カルロ・ビ・バリ国際映画祭短編賞受賞。

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